国東における魚に関する食環境の特徴について、若干の整理をしておきましょう。

 ➊国東市安岐港における漁協の競り市場で競り落とされた新鮮魚を格安で買うことができる。

 ❷その競り市場での魚の購入価格を基準にすると、その2倍の価格が、地元(国東市内)のスーパーでの店頭価格になっている。当初は、この店頭価格でさえも非常に安いと思って購入していた。

 ❸大分市内と周南市内での魚販売価格は、ほぼ同じ(厳密には若干周南市の方が高い)であり、その価格は、➊の価格の約3倍である。

 ➍東京では、❸の価格よりもやや高い。


 これらには、流通過程における仲買の利潤や運搬費、鮮度保持費などが付加されることから、それが価格上乗せ分となっているようです。

 しかも、価格のみでなく、それには新鮮度も考慮されますので、➊➡❷➡❸➡➍と進むにしたがって、鮮度が落ちていきます。

 しかし、➊においては、鮮度が抜群であっても、それが一番低価格で、その数字が増えるごとに鮮度は落ちているにも関わらず、価格は逆に高くなっているのです。

 ですから、鮮度も考慮すると、上記の価格には、その鮮度係数をそれぞれ掛けた価値になりはずです。

 解りやすくするために、➊において1匹100円の魚を買ったことにしましょう。

 ➊1匹 100円 (新鮮度抜群、生きている場合も多い) 鮮度係数1.0 ➡ 100円

 ❷1匹 200円 (数時間から半日経過した魚を購入) 鮮度係数1.2 ➡ 240円

 ❸1匹 300円 (半日以上経過した魚を購入) 鮮度係数1.5 ➡ 450円

 ➍1匹 350円 (半日以上経過した魚を購入) 鮮度係数1.5 ➡ 525円

 赤字の部分は、その購入価格に鮮度係数をかけた価格です。鮮度が落ちた分を価格に換算して、その失った価値を価格に上乗せして示したものです。

 こうして考えますと、100円の魚と450円、525円の魚では大きな違いがあります。たまに魚を食べるのであれば、この差も大したことはありません。

 しかし、これが日常的な購入となると、しかも、100円ではなく、購入価格が1000円、2000円と増えてきますと、当然のことながら大きな違いになってしまいます。

 じつは、昨日は、いつも大分の中心にあるデパートの地下で魚を購入されている主婦の方と一緒に、安岐の競りに行きました。

 彼女に、その価格の比較をしていただきましたが、上記❸の価格の通りの購入がなされていて、この比較に説得力があることが実証されました。

 それらは、彼女にとって驚くような価格と新鮮さだったのです。

 そこで、購入したやや小ぶりのサワラの写真を示しましょう。

sawara20141122
 サワラは夏の魚ですが、この時期のサワラは脂がのってきて、身も引きしまって、とても美味しくなっています。このサワラは小さすぎて誰も買わなかったので、840円で購入しました。すぐの刺身と半焼きの味は感激するほどの美味しさでした。