それでは、国東の食環境の主役である魚について、より詳しく分け入ってみることにしましょう。

ここ国東には、いくつかの漁港があり、そこで毎朝、競りが行われています。近隣では、武蔵港が830分、安岐港が930分からと時間をずらせて競りが、日曜日を除いて行われます。

出入りの左官屋さんから、この競りの話を聞いて、いつしか毎土曜日に、ここに通うようになりました。


この競りは漁協が運営し、出入りの魚屋さんやスーパーが参加されています。まず、漁港の横の市場に魚が並べられ、それを参加した業者が競り落とします。


その競り落とされた魚を、私ども一般のものが買うことができるのです。その際に、競り落とされた魚は、業者によって上乗せ率が異なりますが、それは業者が決めたルールですので、それに従って買うしかありません。


その上乗せ分は、1530%ですが、それでも、格安ですので、土曜日となると、かなりの一般客が、この魚を求めて買いに来ます。


この購買客が多い時には、安くてよい魚ほどすぐに買い手が求めますので、うかうかしているとよい魚を逃がしてしまうこともあります。

私の方は、この競りの様をよく観察することに興味を抱いていますので、あまりあくせくせず、「残った魚でいいや」と思って接していますので、目当ての魚を得るために血眼になることはありません。


この場合、「残った魚」とは、高価で誰も買わない魚か、安すぎて、どうでもよいと思われて買わない魚のいずれかになります。


いずれにしても、新鮮で美味しく、その値段は、それだけの価値があって決められたものですから、それをいただくことに大差はあまりないのではないでしょうか。

しかし、時々、その価値法則から極端に外れるケースもあり、掘り出し物を手に入れることもあります。


それは、どんなときかと申しますと、競りを行う業者が、少々ふざけて、極端に安い値を吹っかけることがあるのです。


一箱入った魚が200円、300円という値段が付けられる時があるのです。


たいがいは、「そんなにふざけた値段をつけたらいけませんよ!」と、その競り主が値を上げていくのですが、時たま、その主の方もふざけに付き合って、そのままの値段で落ちてしまうことがあります。

この時は、私どもにチャンスが回ってくるのです。もちろん、法外な低価格ですから、みなさんが、それを買おうと殺到するのかと思いきや、ほとんど誰も、その魚には見向きもしない場合が多いのです。


そうであれば、私が買おうと申し出るのですが、こんな時は、ほんとうに得したと思います。

それから、競りをじっと観察していると、それが進むにつれて、魚の価格が徐々に低下していくことも解ります。


おそらく、最初は勢いよく、そして厳密に値段を競り合っているのに、それが多くなると、どうでもよいという気持ちが起こるからでしょうか、その競り合いがなくなり、結果的に値段が下がっていくのです。


この場合、後で買う方が得となります。しかし、目当ての魚がある場合には別で、購入を後回しにしているとすぐに魚がなくなってしまいますので、その時は、良いタイミングで買うことが求められます。

「今日は、目当ての魚が手に入ってよかった! あの魚はウソみたいに安かったね」

慣れてくると、このような会話が成り立つようになります。

その日の朝に獲れた魚が、その競りにかけられますので、新鮮、時には生きたままで手に入れることができます。そしておまけに、驚くほどの安さです。

そこで、その「安さ」について調べてみましたが、それは、真に驚くような結果でした(つづく)。

えび201310

一箱で買った小エビ、これを湯がいてたべると美味しい。買った値段は、1000円前後だったと思います。