私の身体全体の皮膚が赤くなったのは、水素イオン濃度(pH)1.5の強塩酸温泉水に入ったことで、その化学的作用が体表面の細胞に及び、その刺激によって血液の流れが促進されたことで起こった現象でした。
後に、より明確になりますが、この細胞刺激による血管拡張によって血流促進が起こります。同時に、その細胞内にある神経も刺激され、それが脳に伝達され、脳内の満腹中枢神経を活発化させることで、出浴後の満腹感が生まれたのだと思います。
出浴後約30分が経過したころから、徐々に食欲が回復し、K3さんと私は、いつものように朝食を美味しくいただくことができました。
これは、忘れることができない記憶として、今でも鮮やかに残っています。
同じことが、長野県阿智村の昼神温泉における村営温泉施設「湯ったりーな」においても起こりました。この時の「相棒」もK3さんでした。
この温泉は、上記の蔵王温泉とはことなって、水素イオン濃度(pH)が約10のアルカリ温泉でした。
アルカリ温泉は、全国にたくさんありますが、このように水素イオン濃度が高い温泉は、そんなにありません。
その意味で、この温泉は「名湯」のひとつといえます。
この露天風呂に、私が開発した超高速旋回式マイクロバブル発生装置が設置されており、入浴者の方々にとても喜ばれています(私は何度も直に確認しました)。
この時は、たしか、K3さんらと1時間以上も温泉に浸かり、あれやこれやと談笑を繰り返しながら、この温泉の「ここちよさ」を満喫していました。
そして、ようやく出浴し、みんなで昼食を取ることになりました。
私は、長時間の入浴で、おそらく相当な満腹感が出てくるにちがいないと予想していましたので、飲み物とおつまみだけを注文しました。
しかし、K3さんは、私と違って大好物の「カツどん」を注文されていました。
ーーー カツどんは、やや無謀の選択ではないか?
こう思いながらも、よした方がよいともいえず、黙って見ていました。
そしたら、案の定、みんなで、その昼食をいただこうとしたときに、どうもK3さんの様子がおかしいのです。
「いったい、どうされたのですか?」
「いやぁー、食欲が湧いてこないのです。どうしたのでしょうか?」
目の前のカツどんには、ひとつの箸も付けられていませんでした。
「マイクロバブルが、満腹中枢を刺激したからだと思います。しばらくすると食欲が出てきますので、少し待たれた方がよいですね!」
こういいながら、会話を続け、やはり30分が経過した頃から、K3さんの食欲が回復され、無事カツどんをすべて平らげてしまわれました。
このように、マイクロバブル入浴では、知覚神経刺激の作用によって、脳内の睡眠中枢や満腹中枢神経への刺激が起こります。
これらは、なにも温泉だけで起こるのではなく、日ごろのマイクロバブル入浴によっても起こります。
うとうとと睡魔がやってくることによってリラックスが進み、満腹感が発生することによって、一時的に食欲を減退させてしまうのです。
また、これらの睡眠や満腹の効果は、マイクロバブル入浴において身体がマイクロバブルによく反応していることでもあります。
結果的に、後者においては、一度に食物をがつがつと摂取するような行為や過食が減少し、ひいては、痩せるという現象を引き起こしていきます。
これまでの平均的な体重減少は、マイクロバブル入浴3か月で約6㎏であり、次の3か月では約3㎏減少という場合が多いようです。
マイクロバブルの知覚神経刺激が脳に伝達され、その満腹中枢神経の活発化で、結果的に相当量の体重減少が起こり、自然に痩せる事例が少なくないようです。
これはとてもよいことであり、やや太めの方にとっては、とても参考になることではないかと思います(つづく)。