本ブログを10月16日に再開して以来、やや密の対応をしてきました。

おかげで、かつての読者の方々も徐々に復帰してきているようで、真にありがたく思います。

これから、日常対応に移行し、息の長い旅日記になりますので、ゆっくりと、そしてゆかいな「おつきあい」でよろしくお願いいたします。

さて、本日から、マイクロバブル入浴の効果について、やや整理をしながら、より深く分け入ることにしましょう。

その最初の問題は、入浴前後で必ずといってよい、重要な変化が起こる問題です。

どんな小さなことでも、それが必ず起こるということであれば、そこには、普遍的といってもよい、時には非常に重要なことが潜んでいることもあります。

それから、それが、わずかな変化であるために気が付かない、経験不足によって「わかる」という段階にまで到達しないということもあります。

日々の人生においては、そのことに気付かずに過ぎてしまうということが度々起こります。みなさんにも、きっとそのようなことが起きているのだと思います。

しかし、人生の洗練を重ねていくと、その「過ぎ去る」ものは何か、が解ってくるようになることもあります。

私が、マイクロバブル入浴を開始したのは、阪神・淡路大震災の翌年の1996年でした。

被災を受けたお年寄りの入浴介護が大変という話がありました。その関係者から、マイクロバブル入浴は可能かという問い合わせがありました。

しかし、その時は、マイクロバブル入浴を経験したことがなく、まずは、開発者である私自身が試しかめてみますという返事しかできませんでした。

以来、18年余、日本中、そして世界中で、私は一番長いマイクロバブル入浴経験者になりました。

自分で開発した装置を用いて、それが自らの生活や健康に役立つのですから、それは開発者冥利に尽きることだと考えてきました。

さて、その最初の頃のことを少し紹介しておきましょう。

その時のことは、今でも印象深く覚えています。

たしかM1型と呼ばれるマイクロバブル発生装置を用いて、それこそどうなるのか思案しながら、興味津々で入浴したことを思い出します。

しかし、その期待とは裏腹に、最初の2、3回までは、何も感じることができませんでした。

何もわからないままに入ったものですから、そこに重要な変化が起きていても、それをしっかり感じ、認識することができませんでした。

やや、大げさですが、マイクロバブルという未知の物質との体験的遭遇において、何が起こるのかを予見できないままでしたので、その重要な変化の何かを検知できなかったのでした。

すなわち、私の体内にある知覚センサーがマイクロバブルを感知できなかったのだと思います。

しかし、その入浴が3回を過ぎた頃だったでしょうか、「おやっ!」と思うことがありました。

それは、入浴後に身体が、ぽかぽかしてきて、いつもと違う「温かさ」を感じたことでした。

ーーー やけに身体が温かい!、なぜであろうか?

こう思いながら、その原因を頭の奥の方で探っていると、「そういえば、マイクロバブルのお風呂に入ったので、そのせいかな?」という思いが湧いてきました。

初回は、興味津々で入浴したものの、その重要な変化に気付かず、「よく解らない」ままで通り過ぎていたのだと思います。

真に未熟で申しわけありませんが、当時は、この程度のレベルでした。

ーーー もしかして、この「ぽかぽか」が、マイクロバブルの効果なのか?

こう思い始めましたが、それは、一旦すぐに打ち消されました。

じつは、その時に、ビールを少し飲んだ状態で入浴をしていたので、その「ぽかぽか」かビールのせいかもしれないと思ったからでした。

翌日、今度はビールを飲まずに、まじめにマイクロバブル入浴を行いました。

するとどうでしょう。昨日とまったく同じように「ぽかぽか」効果を感じるではありませんか。

ーーー この「ぽかぽか」はビールのせいではない。となると、マイクロバブルの効果なのか? これは、もしかして重要なことかもしれない。

こう思い、その日から、この「ぽかぽか」効果が本当に起こっているのかを毎日確かめました。

ーーー どうやら、この効果が発揮されていることはまちがない。なぜ、このようなことがおこるのであろうか? ふしぎなことが起こっている!

この「ぽかぽか効果」を発見したことが、最初のマイクロバブル入浴研究の始りであり、その解明の扉をわずかにこじ開けた瞬間でもありました。

今振り返れば、このわずかな開門を成し遂げたことが真に重要であり、その扉の向こうには、新しい魅力に溢れた「マイクロバブルの世界」が待ち構えていたのでした。

その意味で、この「ぽかぽか効果」の発見は、重要なトピックスとして記録されておくべきことだと思います。




そこで、この効果をより明確にするために、マイクロバブルがない、通常の入浴による温熱効果との比較検討を行うことにしました。

これが、第2の重要な究明課題となりました。


この究明においては、通常の温浴温度よりも下げて、
皮膚表面の温度と同じ(約33℃)にして実験を行いました。これによって、単なる温熱効果の分を排除し、マイクロバブル固有の効果を明らかにすることができました。


また、この効果は、次のようにして体験的な低温入浴によっても確かめられていました。

我が家では、風呂の温度を40℃前後にして入浴していました。この状態でお風呂に入って身体を温めますが、これが長い入浴になりますと徐々に水温が下がっていきます。

風呂の中で、マイクロバブルのことを、あれこれと考え、マイクロバブル発生装置の向きや出方を調節し、さらには身体の向きも変えてみるということをしていると、1時間、2時間があっという間に過ぎてしまいます。

その時には、水温が40℃を切り、30℃半ばまできていることはしばしばありました。

しかし、通常であれば風邪を引いてしまうような温度帯であっても、一向に寒気を感じず、風呂に長く入っていることができたのです。

これもふしぎな入浴体験現象として、注目に値することだと思いました(詳しくは別稿で説明します)。

身体をいつまでもぽかぽかさせて温かくする、これは、ヒトの健康維持において、とても重要なことですので、ここからマイクロバブルの健康入浴という概念と習慣が形成さることになりました。

単に、お風呂で身体を温め、洗うという機能ではなく、マイクロバブルで身体を改善し、健康を維持促進させるという新たな課題が生まれてきたのでした。

今では、少なくない方々が、マイクロバブル入浴をなされ、その実践を行うようになりました。私は、このような入浴をなされる方々を「マイクロバブル仲間」と呼んでいます。

マイクロバブル入浴によってマイクロバブルを実体験される方と、そうではない方とでは、小さくない違いが、マイクロバブルの本質的理解において出てくると思ってきましたが、実際に、その通りのことが起きました。

次回は、その本質的理解に関する違いについてより詳しく述べることにしましょう(この稿続く)。