立ったままで、さっと靴が履けるかどうか、これには、①手足の筋肉の動き、②片足で立った時のバランス感覚が関係しています。

まず、片足でしっかり立つには、足の筋力が必要になります。とくに、腿(もも)と臀部(でんぶ)の筋肉が重要なので、リハビリにおいては、これらの筋肉を重点的に鍛えるメニューがあります。

そして、この両筋肉が形成されると、今度は片足で立って、それが維持できるかどうかのバランス感覚を鍛えます。

私の場合、リハビリの初期では、両手を平行棒を持って立ち、その後、その手を放して片足で立つ練習をしましたが、その最初のころは、2、3秒でさえも続けて立つことができませんでした。

これは、片足で立つと、身体全体が不安定になり、立った方の足の筋肉を微妙に調節できないと、その維持ができなくからです。

そこには、足が不安定になったという神経伝達を受けた脳が、その対策として、その神経を通じて、それを補う筋肉の動きを促す作用があります。この脳、神経、筋肉の調和的動きがあって初めてヒトは片足立ちができるのです。

立ったまま靴を履けないということは、そのバランスの取れた動きができなくなる、弱まるということで起きるはずであり、Tさんは、その動きが弱まっていたのではないかと思います。

また、ある開発歴の豊かな実績を有した地元の方が、㈱ナノプラネット研究所を訪問されたことがありました。この方は、水産養殖に関してある開発を行いたいが、どうかという相談のために来られたようでした。

この方の話がおもしろかったので大いに話が盛り上がり、ついでにマイクロバブルのお風呂に入ってみられませんか、と尋ねると、すぐに、その提案に同意されました。

我が家のお風呂は、このように外来者にも入っていただくように、中庭からお風呂に直接入れるように設計されています。また、展示用にと、普通の箱型ではない、扇型のお風呂になっています。

しかも、マイクロバブルの効果がすぐに出やすいように、3機のマイクロバブル発生装置が配備されていて、これが初めての入浴者には非常に有効です。

「どうですか、お風呂は気持ちがよかったですか?」

「はい、気持ちよかったです。気に入りました」

そして、この高齢者が、とても不思議なことだと思ったことを紹介してくださいました。

「これまで、立ったままで靴下を履くことができなかったのに、すっと履くことができました。これで、あれっと思いました」

「そうですか、それはよかったですね」

このような会話の後に、この方は帰られるとのことで、スリッパから靴に履き替えようとされました。同じく、片足で立ったままでの履き替えでした。

「あれっ? これもできなかったのに・・・」

といいながら、かれは、いとも簡単に靴に履きかえることができました。かれ自身、この不思議な体験を、とても信じられないようでした。

このように、マイクロバブル入浴は、筋肉を柔らかくして、その筋力を回復させるとともに、神経系統の回復にも寄与していることが明らかになりはじめています。

これと同じなのでしょうか、マイクロバブル入浴をしていると身体を動かしてみたくなり、よく、お風呂の中で筋力トレーニングをするようになりました。

また、お風呂から出た後でも筋力トレーニングを行うと、こんなに身体が軽くなっていたのかと思うことができます。

マイクロバブル入浴で、筋肉を柔らかくし、その筋力トレーニングで筋力だけでなく神経も鍛える、これが非常に重要であることを知り、納得することができました。

こうなると、マイクロバブル入浴装置は、単なる入浴装置に留まらず、筋肉と神経のトレーニング装置であるとも考えてよいように思われます(この稿続く)。


マイクロバブル停止後

写真は、マイクロバブル発生装置(光マイクロバブルB2、㈱ナノプラネット製)から発生させて、それを停止させたときの様子です。右手に、光を照射で反射したマイクロバブルが写しだされています。

このように、マイクロバブルの大きさは均一であることに、その特徴があります。デイトレーダーのプロである「ハッチ」さん流にいえば、これぞ、リアルマイクロバブル(real microbubble)ということになります。

このリアルマイクロバブルは、この後、すぐに収縮運動を開始し、溶けてなくなります。じつは、この収縮から溶解に至る過程が、非常に物理化学的に重要なのですが、その詳しい説明は、別に機会にさせていただきます。

また、このリアルマイクロバブルは、この照明を消すと、そのほとんどは目に見えなくなります。このことは、目に見えるような泡は、リアルマイクロバブルではないことを示唆しています。