「わらしべ考」を続けます。
この昔話の主人公は青侍です。青侍とは、若くて貧乏な侍のことです。彼は、親兄弟が誰もおらず、天涯孤独の身で、赤貧に喘(あえ)いでいました。
「これまで、ちっともよいことがなかった。なぜ、こんなに貧乏で苦しいのか?」
それこそ観音様に縋(すが)るような気持ちで長谷寺(奈良県桜井市)を訪れました。この長谷寺は、全国にある長谷寺の総本山であり、ここにヒトの背丈の5倍もある大きな金色の観音様が祀られていました。
その十一面観音像をホームページ上で拝見させていただきました(このホームページには、これから紹介させていただく「本当のわらしべ長者の話」が掲載されています)。
壮麗で圧倒する大きさの観音様を前にして、その青侍は、そこにひれ伏し、そのお告げを念願したにちがいありません。
そのお告げを待ちながら、おこもりの満願21日が来て、この若侍は夢を見ました。
「これまでの不幸を観音様にせいにしてはいけません。これから、すぐに、ここを出て、最初に手にしたものを捨てずに持っておきなさい」
これが、観音像から出てきた人の教えでした。
この教えにしたがって、すぐに寺を出ようとして門の敷居につまづき、倒れてしまいます。
その時、思わず手にしたのが、一筋の「藁しべ」でした。藁しべとは、稲穂の芯のことでした。
ーーー 最初に手にしたのは、この藁しべだった。
と思い、その若侍は、「たかが藁しべか!」と思わず、観音様のお告げを守って、その藁しべを大切に持ちながら旅に出たのでした。
そのうち、この若者に虻(あぶ)がつきまといます。いくら追い払っても、虻は一向に逃げ去りませんので、それをつかまえて、藁しべの先に結んでしまいました。
虻は、相変わらず、ぶんぶんと枝につけた藁しべの先で飛び回っていました。
しばらく行くと、高貴な女性による長谷寺詣での行列に出会いました。そのお供に、男の子がいて、その虻が飛び回っていた藁しべを欲しがりました。
家来が、その命を受けて、若侍のところまで来て、「それを譲ってもらえないか」と尋ねます。
若侍にとっては、観音様のお告げがあった大切なわらしべでしたので、ここで最初に試されることになります。
「これは、観音様から授かった大切なものですが、若様がお望みであれば、差し上げましょう!」
ここで、その藁しべの由来を説明しながら、迷うことなく即断し、虻と藁しべを差し出したことに、彼の機転があったのだと思います。
この一部始終を見ていた車の主の女性は、その気転に感心して、お礼にと、大きな蜜柑3つを渡します。
思わね御礼に、若侍も喜びました。
ここまでが、第一の物々交換でした。
これを私の事例に当てはめて考えてみたいと思います。その場所は、私の入院していた病院のリハビリ室でした(つづく)。
この昔話の主人公は青侍です。青侍とは、若くて貧乏な侍のことです。彼は、親兄弟が誰もおらず、天涯孤独の身で、赤貧に喘(あえ)いでいました。
「これまで、ちっともよいことがなかった。なぜ、こんなに貧乏で苦しいのか?」
それこそ観音様に縋(すが)るような気持ちで長谷寺(奈良県桜井市)を訪れました。この長谷寺は、全国にある長谷寺の総本山であり、ここにヒトの背丈の5倍もある大きな金色の観音様が祀られていました。
その十一面観音像をホームページ上で拝見させていただきました(このホームページには、これから紹介させていただく「本当のわらしべ長者の話」が掲載されています)。
壮麗で圧倒する大きさの観音様を前にして、その青侍は、そこにひれ伏し、そのお告げを念願したにちがいありません。
そのお告げを待ちながら、おこもりの満願21日が来て、この若侍は夢を見ました。
「これまでの不幸を観音様にせいにしてはいけません。これから、すぐに、ここを出て、最初に手にしたものを捨てずに持っておきなさい」
これが、観音像から出てきた人の教えでした。
この教えにしたがって、すぐに寺を出ようとして門の敷居につまづき、倒れてしまいます。
その時、思わず手にしたのが、一筋の「藁しべ」でした。藁しべとは、稲穂の芯のことでした。
ーーー 最初に手にしたのは、この藁しべだった。
と思い、その若侍は、「たかが藁しべか!」と思わず、観音様のお告げを守って、その藁しべを大切に持ちながら旅に出たのでした。
そのうち、この若者に虻(あぶ)がつきまといます。いくら追い払っても、虻は一向に逃げ去りませんので、それをつかまえて、藁しべの先に結んでしまいました。
虻は、相変わらず、ぶんぶんと枝につけた藁しべの先で飛び回っていました。
しばらく行くと、高貴な女性による長谷寺詣での行列に出会いました。そのお供に、男の子がいて、その虻が飛び回っていた藁しべを欲しがりました。
家来が、その命を受けて、若侍のところまで来て、「それを譲ってもらえないか」と尋ねます。
若侍にとっては、観音様のお告げがあった大切なわらしべでしたので、ここで最初に試されることになります。
「これは、観音様から授かった大切なものですが、若様がお望みであれば、差し上げましょう!」
ここで、その藁しべの由来を説明しながら、迷うことなく即断し、虻と藁しべを差し出したことに、彼の機転があったのだと思います。
この一部始終を見ていた車の主の女性は、その気転に感心して、お礼にと、大きな蜜柑3つを渡します。
思わね御礼に、若侍も喜びました。
ここまでが、第一の物々交換でした。
これを私の事例に当てはめて考えてみたいと思います。その場所は、私の入院していた病院のリハビリ室でした(つづく)。
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