武蔵ネギの実験は、次の3通りで行われました。

①スーパー「エース」で買ってきた「武蔵ネギ」(一束10本)の一束を、そのままマイクロバブル水耕栽培する。


武蔵ネギー1
購入直後に水槽に入れられた武蔵ネギ、このように10本程度が束ねられて販売されていて、一束100円である。2012年9月26日、筆者撮影。


②根が付いた下部3cm程度で切断し、それをマイクロバブル水耕栽培した。この場合、根に光を当てないようにした場合とそうでない場合の2種類を比較した。

③②については、同時に露地栽培も行い、両者を比較検討した。

マイクロバブル水耕栽培においては、切り落とした下部を発砲スチロールの板に根の部分を浸潤させて設置しました。非常に単純な栽培法であり、後は、水槽にマイクロバブル装置を入れただけでした。また、マイクロバブルの供給は1日2回程度で、それぞれ1時間程度としました。

この場合、動力のポンプは150W程度ですから、その電気代はわずかでした。

次に、②の状態でマイクロバブル水耕栽培した場合と露地栽培した場合の結果を比較することにしましょう。


武蔵ネギ路地20121026-1

露地野菜栽培、2012年10月26日、筆者撮影。


2つの束をそのまま土に植えて育てた結果です。ネギの背丈は20cm程度まで成長しています。

ここには、それなりに成長した様子が示されています。おそらく、みなさんもよく見かけてきた結果だと思います。


武蔵ネギMB20121026-2

マイクロバブル水耕栽培の武蔵ネギ、2012年10月26日、筆者撮影。


この写真からも明らかなように、両者の比較を行うとすると、まず、その大きさが気になりました。

スケールで比較結果を観察すると、まず、ネギの背丈が異なります。マイクロバブルの方では、大きい背丈が30cm近くありましたので、大雑把にいえば1.5倍というところでしょうか。

それから、ネギの直径も違うようで、それも約1.5~2倍にはなっています。

これらから、マイクロバブルの優位性は、露地野菜の2~3倍といえそうです。ただし、露地栽培の方は、あまり適した土でない可能性もありますので、その分は差し引かねばなりません。

ここまでは、ある意味で予測した通りですから、前回において記した「不思議に思うこと」もありませんでした。ましてや吃驚することもありませんでした。

ところが、この両者を丹念に比較しているうちに、ここに大きな相異があることに気付きました。

ーーー おやっ、マイクロバブルの方は何か違うなぁー!

いつも、マイクロバブルの方は、よく見ていましたが、露地栽培の方はほとんど見ていませんでしたので、その違いがよく解っていませんでした。

ーーー 露地栽培の方は、真っすぐ立ってすっきりしている。それに対し、マイクロバブルの方は、かなり折れて、入りこんでいるなぁー! 

ーーー これが折れたのは、先日の台風のせいだから、これはしょうがないとしても、やたらネギの数が多いなぁー。植えた時は、たしか、10本程度だったはずだけど・・・。

そう思いながら、マイクロバブル栽培のネギの本数を数えてみると、それが10本どころではありませんでした。

それでは20本かといえば、そうではありません。そこで落ち着いて数えてみると一束が約25本から多い時は50数本にもなっていました。

ーーー うそであろう。そんなはずはない!

と思いながら、よく数えてみたところ、間違いはありませんでした。なんとネギの本数が約2.5~5倍になっていたのでした。

ーーー これはすごいことが起きている! なぜであろう? 不思議だ!

背丈、直径、そして増加した本数、これらを考慮すると、私の基準である露地栽培の6倍化が達成できるかもしれない、もっと詳しく調べてみる必要がある、このように思い始めました。

つづく