この3月までで、大学および高専教員の38年を終えて、新天地の、そして新居での生活が大分県国東市で始まりました。
もともと大分県の宇佐市に生まれ、高校までは宇佐市四日市というところにいましたので、44年ぶりに故郷に帰ってきたことになります。
空は蒼く、水は清い故郷の風景は何も変わっておらず、温かい陽射しと緑、そして風も幼き頃と同じでした。
この故郷の新天地において第二の人生を再起動させることが当面の目標であり、まずは、その生活と研究、仕事の基盤整備を行う必要がありました。
生活基盤の整備については、これまで折りに触れて本ブログにおいても紹介してきましたので、ここでは詳しく触れることはしません。
また、研究拠点につきましては、近隣の高専におけるセンターでの整備が進むとともに、この国東でも徐々に進展してきました。
ミニ実験やセミナーの開催ができるようになり、最近では、ミニ水耕栽培プラントの形成が可能になりました。
おかげで、毎朝、新鮮野菜を摘んでは食べるという習慣になり、美味しいマイクロバブル野菜を基本にした健康生活を営むことができるようになりました。
これで、植物工場の初歩を学ぶことができましたので、これから、現在の植物工場の問題解決のための諸実験を本格的に開始するところです。
そして、第3の研究拠点の形成も徐々に可能になってきました。これは、第1、第2の拠点と違って、地域そのものを拠点にしていくことですから、その場所は無数に増えていくことになります。
これについては、こちらに来て、次の非常に重要でかつ明確な概念形成が可能になりつつあります。
「地域を変え、再生させるには、地域に根ざすことを可能にする技術が必要である」
この「地域に根ざす技術」の確立が重要であり、その具体的な実践をマイクロバブル技術を通じて行うことの重要性に気付きました。
かつて、高専においては、1990年代の初めに「地域に根ざした高専づくり」を開始したことがありました。やがて、この先駆性は、全国に飛び火し、それからの約10年を経て小さくない流れに発展していきました。
そして、今世紀の初期においては、「地域貢献」という呼び名で重要な仕事のひとつとして位置づけられるまでに至りました。
今日、グローバル社会、高度情報化社会、高齢化社会、消費デフレ等によって、地域はますます衰退し、いよいよ深刻な事態に陥り始めています。
そのために、地域社会や経済の自立がますます困難になっています。
この流れに抗し、地域を再生するために、「地域に根ざす技術」を開発することがとりわけ重要であり、その実践的成功事例を具体的に示していく必要があります。
国東の冬を迎えて、その無限に広がる無数の実践を開始する、その準備がかなり整ってきたのではないかと思っています。
つづく
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