「自立できる経済」、これは、全国の自治体において最上位近くに掲げられているスローガンです。
この目標をいかにして達成するか、これが問題ですが、その具体的方策は、前回も述べたとおりであり、次の2点にあります。
①「地域産業資源」を最大限に活用することで、基幹となる産業振興を実現する。
②①によって、最終的に、県民のみなさんの平均所得の2倍化を図る。
沖縄の場合、その地域産業資源は、豊かな自然と亜熱帯気候の下にあり、具体的には、農業と水産業に関することが最重要です。
この基盤産業の振興は、食品、健康・医療、観光にも通じる分野ですので、非常に重要なことは、だれもわかっていることなのですが、問題は、それをいかに具体的に実現するか、ここにかかっています。
ですから、二人の経済学者も、しばし、私の問題提起に対して、すぐに反応して言葉を続けることができなかったのです。
「それは、そうだけど、それが一番難しいことですよ。そのことをよくわかっていますか?」
このようにいわれても当然のことで、これは沖縄に限らず、どこでも困難なことですから、容易ならざるをえない問題といえました。
「何か新しいものを持ってくるのは嫌いです。沖縄に新しいものが持って来られて成功したことがない」
いままで黙って聞いていた経済学者の一人が、少し語気を強めていい始めました。
「そうですよ、沖縄にあるよいものをもっと伸ばす、そのために知恵を使う、これが決め手になるのではないですか」
こういうと、かれも、それに乗ってきて、それからは意気投合することができました。
この議論を踏まえて、沖縄県農業試験場の知人に、いろいろと相談してみました。
「沖縄の農業は、どうでしょうか。どこに問題があるのでしょうか?」
「なかなか大変です。沖縄の正月料理として必ず出てくる農作物がありますが、これがよくなく、ある地区では、病気で絶滅に近い状態になりつつあります。これは深刻な問題ですね」
「沖縄では、野菜がかなり高い価格で販売されていますね」
「他府県から輸入されますので、どうしても高価になります。たとえば、ミョウガについては、沖縄では生産されなくなりました。すべて輸入ですので、高価でもしかたありません」
「なにか、善戦している農作物はあるのですか?」
「菊は、まあまあ、善戦していますね」
「沖縄紅茶はどうですか? 昨日、飲んでみましたが、なかなか変わった味がしました」
「そうですか」
この会話を通じて、まずは、沖縄が抱えている困難な問題から取り組むのがよいのではないかと思うようになりました。
それが、先日の沖縄からの苗の到着に結び付く話になりました。
この苗がマイクロバブルでよく育ってくれるかどうか、この検証はこれからですので、注意深く観察していきたいと思います。
困難な現実の問題に切り結んでいく、これがマイクロバブルにふさわしい試練といえるのではないでしょうか
自立できる経済は、農業における困難の克服から、これが第一歩といえます(つづく)。
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