空気袋で生徒を持ち上げる体験的実験を行うと、教室の状況が楽しさで一変します。
何人持ち上げられるかという興味を誘い、さらに持ち上げる様がスリルがあってとてもおもしろいようです。
今度は、これと同じパスカルの実験をストローと風船を用いて全員で行うことにしました。
ふくらます前の風船のなかにストローを入れて、ビニールテープでしっかりそれらを固定します。
もう一方のストローの先から空気を入れて風船をふくらませますが、ストローの分だけ抵抗が増えますので、それだけ風船をふくらませにくくなります。
肺活量が少ない生徒もいますので、その風船をふくらますことができない生徒もいますので、「がんばってふくらませよ」と鼓舞します。
そして各班ごとに配ったやや大きめの石の下に、ふくらませていない風船を敷いて次のようにいいます。
「みんなで力を合わせて風船をふくらませ、その圧力で石を持ち上げてください」
みんなの呼吸が合わないと、石は傾きはしますが持ち上がることにはなりません。一斉に風船をふくらませる呼吸が大事なのです。
それに、やや大きい石を割り当てられた班はますます大変で、集中力を発揮してふくらませないと無情にも石は浮いてくれません。
ここで失敗すると笑いや歓声が自然に起こりますが、ここでのコツは、軽い石ではだめで、やや重い石を用意して懸命に石を浮かせるようにさせることにあります。
こうして、小さい圧力でも、大きな物体を動かすことができることを体験的に学習できるようになり、ゆかいになることができました。
もう、この段階になると、生徒のみなさんの目はいきいきと輝いてきます。次は、何をするのだろうと興味津々の顔つきになっています。
もちろん、私語をし、授業に興味を持てずに気もそぞろになるような生徒は一人もいません。
「次の実験をしたい班は手を挙げてください」
こういうと、ほとんど全班から一斉に勢いよく手が挙がりました(つづく)。
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