「地域産業資源」としての農林水産業を活かす、この課題は、いろいろなところで試されています。
たとえば、四国の小さな村では、柚子を特産にして復興を遂げ、その加工品までも作るようになりました。
長野県における小さな村の「おやき」、沖縄では「海ぶどう」や「もずく」、古くは「泡盛」もそうであり、「名産」となっています。
このような「名産づくり」が重要な「今日的課題」になっています。先日も紹介させていただいた村重酒造の「錦」も、その仲間入りをする可能性が出てきました。
全国酒類コンクールにおける吟醸・大吟醸部門で二年連続で第1位を占めたことが、その基盤形成に重要な寄与をなしつつあるといえます。
ここには、立派な農作物を高次に加工し、全国に注目されるまでの高品位な商品を作りあげた姿があります。
この加工技術における「知恵と工夫」が幾重にも組み入れられていることが成功の秘訣となっています。
そこで、地域産業資源を、現代において、どのように、その基本から見直していくかどうか、そこに、知恵と工夫をいかに発揮させていくか、この考察が重要になります。
さて、このジグソーパズルを解いていくには、まず、困っていることから始めることが重要です。なぜなら、そこにヒントが隠されているからです。
カキ、ホタテ、アコヤガイが現実に大量斃死する、この現実の困難にマイクロバブルは挑戦し、その試練を乗り越えてきましたので、そのカキやホタテが、今度は他のものに変わったことだけなのだと考えればよいのだと思います。
そこで、沖縄県農業試験場の関係者と話をし、まずは2つを、その試験対象に選ぶことにしました。その一つは、すでに沖縄では栽培がなされなくなったもので、沖縄では、いわゆる「絶滅野菜」となっていました。
その絶滅の理由については不明ですが、これを復活させることが可能かどうか、重要な問題といえます。
その第二は、現在絶滅の状態が進行中のものだそうで、その特産地の沖縄宜野湾地区では、病気のためにほとんど生息できなくなったのだそうです。
この絶滅済みと絶滅進行中の野菜の栽培において、マイクロバブルが、その本領を発揮できるかどうか、これが試されることになります。
この試練は、単に沖縄だけに留まらない重要な問題を含んでいます。それは、小さな沖縄野菜の問題ではなく、他の地域の野菜問題にも深く関係する問題でもあるからです。
さらに、その絶滅という困難から脱し、復活させるという事業が可能となれば、そのことが持つ意味も小さくないように思われます。
温暖化、酸性雨による土壌の酸性化、厳しい農産物市場など、取り巻く環境は決して楽観できませんが、それらを踏まえて、この取り組みが進むことが期待されています。
H農園においては、いまのところ、この2つの野菜が順調に生育していますので、これが沖縄へとつながるとよいのですが、まだまだ、それは始まったばかりです。楽観はできません。
長い旅路の「たたかい」です。
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