数年前に、持ち込まれた課題がありました。それは、「手荒れ」の問題です。冬になると、手足が乾燥します。

 また、お湯を用いて食器洗いをしますが、その度に、手が洗われて、結果的に手を傷めることになり、それが主婦の悩みとなっています。

 とくに、この問題が深刻なのが美容業界です。全国には、約20万の美容院があります。その従業員を平均2、3人としますと、その合計は40~60万人となります。

 その平均を取って50万人としますと、その6%にあたる3万人が手荒れで苦しみ、美容院を辞められているのだと聞いたことがあります。

 せっかく、苦労して育てたにもかかわらず、手荒れがひどくなって次々に辞めていく、これが現実のようです。

 美容院の経営者であれば、これを何とか防ぎたい、改善したいと思うのが当然のことです。

 これを「マイクロバブルで何とかならないか、改善できないか」という相談がありました。

 なにせ、美容業界が始まって以来、この問題がずっと存在してきて、まったく解決できない問題であったというのですから、私も、これは何とかしなければならないと思いました。

 しかし、私には、その状況がよくわかりません。手荒れがどのくらいひどいのか、なぜ、そのようなことが起こるのか、これまでに改善方法はなかったのかなど、いろいろな問題がありそうでした。

 そこで、美容師さんの手荒れの状況を実際に見せていただくことにしました。

 今では、それに似た様子をインターネット上の画像で簡単に見ることができますが、そのような画像も見たことがなかったので、小さくない驚きを覚えました。

 最初の方は、「黒い手」といってもよく、指の方々で「あかぎれ」が起き、それが黒くなっていました。その一見で、「これは大変だ」と察知することができました。

 二人目の方は、別の手荒れ状況であり、指の関節部分を中心に腫れがあり、これも大変さが覗えました。

 それから、何人かの美容師さんの手を見せていただき、「手荒れがひどくなって辞めていかざるをえない」という状況をつぶさに実感することができました。

 そこで、これらの方々に、少し詳しい事情を尋ねてみました。その結果は、以下のようなものでした。

 ①手荒れがひどくなるのは、12月と3月である。これは、お客さんが、その時期に極端に増加して、手を使う回数が増えるからである。

 ②夜寝ているときに、痒くてどうしても掻いてしまう。そうするとまた悪くなる。

 ③軟膏を塗って一時的に改善することもあるが、それを止めるとリバウンドし、再発する。

 ④せっかく、美容師になれたのに、これで辞めることになるにはくやしい。

 聞けば聞くほど、「これは、深刻な問題である」と理解するようになりました。

 「この手荒れ問題をマイクロバブルでブレイクスルーできるか。果たして、マイクロバブルは、その要求に応えられるか?」

 「決して小さくない課題が突き付けられた」と思いました。新たな「マイクロバブルの試練」が与えられることになりました(つづく)。

Te