1時間に100mm以上の豪雨が各地に降り、水害、土砂災害を引き起こしています。前者においては、氾濫の危険がある箇所が2000以上、後者においては、50万か所もあるというのですから災害列島日本の現状は、とても楽観できるものではありません。

 こうして、毎年のように災害が起こり、その被害額は1か所だけでも数10億円、数100億円にも上りますので、これも放置できない重要な事といえます。 

 昨日は、H先生から論文の草稿が送付されてきました。

 このなかで、これまでも何度か取り上げさせていただいたK高専のH君のことが報告されていました。まじめな高専の専攻科生であり、今年の春に、某ウイスキーメーカーに就職しました。

 風の便りでは、ウイスキーの品質向上に関する技術に携わるようで、彼にとってはピッタリの仕事かなと思いました。

 その彼が、長野県阿智村で開催された第1回全国高専サミットに参加して見事に変身し始めたそうです。

 わずか20名足らずの参加者でしかなかった小さな研究集会でしたが、彼にとっては、その「重要な何か」を得ることができたようで、このような奇跡に近いことが、起こる時には起こるものなのですね。

 しかも、この集会には他の高専の学生も参加していたのですが、その素晴らしい変身を遂げながら成長していったのは、おそらく彼に限られた特徴だったのかもしれません。

 この原稿によれば、平気で徹夜の実験を行うようになり、それで頑張りすぎて病気になり、さらに、病気が治ると徹夜の実験を続け、その成果を学会で発表するということをこなしていきました。

 もちろん、その度に彼はたくましくなり、H先生の脳裏を刺激する学生となって行きました。

 その結果、2つの学会から優秀学会発表賞、技術賞をいただき、その彼の発表の素晴らしさが客観的にも評価されることになりました。

 やさしくてまじめなH君でしたが、そこから、猛烈に実験に取り組み、新たな未知の課題に取り組む勇気と実践力を身につけることができたことについては、それがなかなかできなことがゆえに、特筆されるべきことといえます。

 なぜ、このような素晴らしい実践と成長が可能になったか、これについては非常に重要な問題が含まれているように思いますので、それを指導されたH先生と、今後もいろいろと検討させていただくことにしたいと思います。

 少し前置きが長くなりましたが、今年はダム貯水池の浄化に関する研究が新たな段階を迎えそうです。折しも政権が代わり、ダム建設についての基本的な考え方も変化してきているようです。

 すでに、日本列島全体を見渡しても、ダムを多数建設する時代は終わりを見せ始めていますし、今後は、さらに、その傾向が進んでいくのだと思います。

 今や治水、利水に加えて、親水というキーワードで説明されるようになりましたが、これを基本にして、「水を活かす」時代が来るのではないかと思っています。

 そこで、この「水を活かす」とは何かが問われることになります。

 ダムや貯水池における「水の浄化」をテーマとして、これから、その意味を少し深く考えてみることにしましょう。

 水は生活に必須の物質です。水なしには生きていくことができません。ヒトも動物も、そして植物も同じです。

 今や、飲用のペットボトルが氾濫する日本社会が定着していますが、少し前までは、このような飲用ペットボトルがどこにでもある光景をだれが予想できたでしょうか。

 この水をめぐっては、それから作る食糧も含めて、「戦争」が起こるという予想まで出てくる時代となりつつあります。

 その意味で、私たちにとって、水はますます大切な存在になってきていますので、その浄化についても、より洗練された方法を見出すことが求められているような気がします(つづく)。


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