6.マイクロバブルの利用(3)・三重(みえ)の真珠(しんじゅ)

 2001年から、三重県(みえけん)で、マイクロバブルをもちいての真珠養殖(しんじゅようしょく)の研究(けんきゅう)がはじまりました。

 三重県(みえけん)の真珠(しんじゅ)養殖(ようしょく)は、御木本幸吉(みきもとこうきち)さんによってはじめられました。アコヤガイを縄(なわ)に結(むす)んで、海にぶらさげ、真珠(しんじゅ)をつくろうとしました。

 しかし、なかなかかんたんに、真珠(しんじゅ)をつくることはできませんでした。しかし、幸吉(こうきち)さんの「なんとか真珠(しんじゅ)を自分の手でつくてやろう」という意思(いし)はかたく、くろうににくろうをかさねたけっか、とうとう3つのかがやくような真珠(しんじゅ)ができあがりました。

 とうじの日本としては最高(さいこう)の技術(ぎじゅつ)が完成(かんせい)したわけで、特許(とっきょ)もとることができました。

 また、真珠(しんじゅ)は、世界(せかい)の人々(ひとびと)にあいされていますので、またたくまに、このニュースは世界中(せかいじゅう)に広(ひろ)まっていきました。

 あの発明王(はつめいおう)のエジソンも、真珠(しんじゅ)を自分(じぶん)でつくりたかったのですが、それを実現(じつげん)することはできませんでした。

 ですから、同じ三重県(みえけん)のかたが、エジソンにあいにきたときに、かれは、真珠(しんじゅ)の話ををして、御木本(みきもと)さんの仕事(しごと)を「すばらしい」とたたえたのでした。

 このエジソンとあったかたが、とうじのアメリカで電気洗濯機(でんきせんたくき)を見て、それを日本にもちかえりました。

 しかし、大手(おおて)の電機会社(でんきかいしゃ)は、かれがもちこんだ電気洗濯機(でんきせんたくき)を開発(かいはつ)しようとはしませんでした。

 そのかたは、それならば自分でやろうと思(おも)い立(た)ち、むすこさんといっしょに、日本ではじめての電気洗濯機(でんきせんたくき)をつくってしまいました。

 そのかたは、もとは船乗り(ふなのり)ですから、その執念(しゅうねん)と努力(どりょく)には、すばらしいものがありました。

 三重県(みえけん)には、このようにりっぱなかたがたがたくさん生まれています。

 さて、三重県(みえけん)の志摩町(しまちょう)で、マイクロバブルの実験(じっけん)をおこなうことになりました。

 その前(まえ)の年(とし)に、国産貝(こくさんがい、日本に古くからあった貝(かい))が全滅(ぜんめつ、みんなしんでしまうこと)していました。

 その原因(げんいん)は、アコヤガイの貝柱(かいばしら)が赤くなる病気(びょうき)で、「赤変病(せきへんびょう)」とよばれていましたが、それがどうしておこるのかはいまだにあきらかになっていません。

 こうしたピンチのなか、Kさんがマイクロバブルに関心(かんしん)をよせられていましたので、その支援(しえん)をおこなうことにしました。

 さて、真珠(しんじゅ)は、アコヤガイの卵巣(らんそう、たまごをそだてるところ)のなかでつくられます。ここにいたるまでに、つぎのような作業(さぎょう)がなされます。

 小さな貝(かい)を大きく成長(せいちょう)させ、その貝の卵巣(らんそう)のなかに、「核(かく)」とよばれる別の貝の珠(たま)がいれられます。

 その珠(たま)のまわりに、真珠層(しんじゅそう)が形成(けいせい)されて、じょじょに真珠(しんじゅ)になっていきます。これを、「巻(ま)き」といいます。

 つまり、巻(ま)きがよい真珠(しんじゅ)ほど大きくなっていきます。

 マイクロバブルは、この真珠(しんじゅ)の巻き(まき)を進めることにじゅような役割(やくわり)をはたしました。

 マイクロバブルで、貝(かい)のなかの粘液(ねんえき)がたくさんでて、それが、アコヤガイの内側(うちがわ)の殻(から)をとかすことで巻き(まき)をよくさせたのだとおもいます。

 これは、それまでの真珠養殖(しんじゅようしょく)の常識(じょうしき)とは大きくことなるものでしたので、かっきてきな改善(かいぜん)となりました。

 もちろん、りっぱな真珠(しんじゅ)がたくさんできて、漁師(りょうし)のみなさんは大よろこびでした(つづく)。

  真珠 

マイクロバブルでそだった真珠(しんじゅ)です。まんなかの大きいのは、9mm珠(たま)です。