私は、彼女に、次のようによくいいました。

 「植物は生きものだよ!今日、観察して、それをデータとして記録し、その映像を撮影しなければ、明日には、それが変化しています。明日になると、もう違うものになっています。どうしますか?」

 こういうと、彼女は必ず、驚いた様子で、次の言葉を発しました。

 「えっ!」

 こういっても、なんとなく頼りないので、心配になって、次の日も、植物の観察に行きます。それは私だけでなく、同級の卒業研究生や研究生も同じ思いでした。

 この4人が、実験水槽の前でよく顔を合わせ、「どうしようか?」、「こうしようか?」とよく話をするようになりました。

 みな、植物の成長を自分の目で観察することが好きで、「ああだ、こうだ」といつのまにか意見をよく交わすようになりました。

 彼女の「卒業研究」でありながら、「彼女を中心とした卒業研究」としの発展を遂げるようになっていきました。

 いまどき、自分のことしか考えない風潮があるなかで、この現象は、最近では、とても珍しいことでした。

 こうして、周囲に見守られ、励まされ続けたのですから、彼女も、それに応えて力を尽くすようになり、徐々に成長していきました。

 私にとっては、植物だけでなく、それと同時並行で成長していく彼女を観察することも重要な楽しみになりました。

 マイクロバブルには、このように人が力を合わせることを誘起させる「ふしぎな力」があるのでしょうか、この気分前向きの好循環サイクルが形成され始めたころに、興味深いことが起こりました(つづく)。

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