「お茶を、もう一杯いかがですか?」

こういいながら、いわむらさんの話がさらに熱を帯びてきました。

「あずきに、こだわってこられたのですね!」

「そうなんですよ。安い小豆を使おうと思えば、中国産のものを用いればよいのですが、私は、それをしてはいけない、高くても北海道産の小豆を用いるべきだ。おやじも同じでしたが、、これがもみじ屋の100年続いてきた伝統というものです」

「コシ餡とツブ餡の2つしかありませんね。これも昔からですか?」

「そうです。この2つの饅頭だけをを100年作り続けてきました。そことをマイクロバブル博士にいうと大変うれしそうな顔をなされて、次のように仰いました」

「100年ですか、すばらしい伝統ですね。これは何とかしなければいけませんね!」

「こういわれると、マイクロバブル博士は、ますます、身を乗り出してきて、私の話を聞き始めました」

「博士は、何に興味をもたれたのですか?」

「饅頭の作り方のすべてですよ!私が、それを説明していると、途中で博士が質問をなされますので、延々と、相当長い時間のやり取りが続きました」

「それで、どうなりましたか?」

「博士は次のようにいわれました」

「私は、饅頭づくりの専門家ではありません。しかし、マイクロバブルに関しては専門家といえますので、その立場から、いいますと、マイクロバブルを使えるところには、すべて使った方がよいと思います」

「えっ?それはどういうことなのですか?」

「私も、最初は、その意味がよくわからなかったので、どういうことなのかを聞き返しましたところ、工場の真ん中に、マイクロバブルの装置をおいて、最初から最後までの各工程で、それをすべて使えという意味でした」

「全部においてですか?」

「そうです。水づくりから、洗浄、小豆を煮てアクをとるところから、皮のスポンジ部分までにおいて、マイクロバブルをどう使うかをいろいろ考えました」

「なるほど、それで、こんなに美味しくなったというわけですね」

「それから、懸命になって、マイクロバブルもみじ饅頭の作り方を研究しました。なにしろ、それを作っては、毎日、お客さんが、その日のうちに食べられ、買っていかれるのですから、それは真剣勝負でした」

「がんばったのですね」

「がんばりました。おかげで、お客さんが、『おいしくなった』、『これはいい、さすが!』といわれはじめて、わざわざ買いに来てくださる方が、どんどん増えてきました」

「マイクロバブルにこだわったことで、それが実を結んだのですね」

「そうなんです。マイクロバブルに『こだわったこと』がよかったのです」

「ごりっぱですね」

「ありがとうございます。どうですか、お茶をもう一杯!」

「マイクロバブル博士は、こちらに来られたことがあるのですか?」

「はい、先日、こちらに来られました。熱々の饅頭を『おいしい』といって喜んで食べられていました。そして、私どもの狭い工場を見学されて、帰り際に、こういわれました」

「もっと、おしくなる方法があります。これからは、こうしてくださいと、よい方法を教えていただきました。この饅頭は、その博士の教えにしたがって作ったものです」

「それで、また、より美味しくなっているのですね」

こうして、Mさんらの宮島参りは終わりました。もちろん、Mさんらは、さらに美味しくなった「もみじ饅頭」をお土産に買って帰られたそうです(この稿おわり)。

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