今回の講演題目は、「未来材料としてのマイクロバブルの機能性」でした。

先日の熊本講演では、「未来材料としてのマイクロバブルの可能性」でしたので、この末尾の「機能性」に関して、より踏み込んだ内容を用意させていただきました。

そのため、5日に開催された熊本講演の内容を、より科学的に発展させたものとなりました。

もちろん、化学の専門家を前にしての講演ですから、その専門性もより深く意識させていただき、そのストーリーの組み立てを考えさせていただきました。

以下は、その流れの概要です。

・「地球終焉」という有名な講演を1896年にした、サー・ウイリアム・クルックスの引用

・化学とは何か? 「化学とは、物質を理解し、その変化を制御し利用する科学である」、この定義がすばらしく、産総研U氏の言葉をすっかり覚えてしまいました。

・「未来材料」としての「マイクロバブル」と「賢‐マテリアル」の共通性を指摘し、それぞれに同じ指向があることを確かめました。

・マイクロバブル技術の「トピックス」紹介、これについては、次の4例を紹介させていただきました。いずれも、マイクロバブル技術を駆使した結果であり、吃驚するような成果が現れました。

1)マイクロバブル野菜作りの植物工場

2)マイクロバブル温泉

3)もみじ饅頭(いわむらもみじ屋)

4)大吟醸酒「錦」(村重酒造)

これらを通じて、マイクロバブル技術の成果をわかりやすく示しました。マイクロバブル技術は、わかりやすいようで、その理解がなかなか難しい理由についても、その掘り下げを行いました。

正しいマイクロバブル技術の適用が重要であり、それなしには成果は出ません。過大に評価せず、そして過少に思っていても、望むような結果は得られません。

そのことをよく理解することがなによりも大切であるような気がしています。

それから、「マイクロバブルとは何か」を説明し、その物理化学的特徴についても詳しく述べさせていただきました。

また、この特徴は、どのような発生装置を用いるかにも依存しますので、その点も超高速旋回式による結果であることも強調させていただきました。

ここでは、マイクロバブルがミリバブルとは本質的に異なる性質を有していること、それが、マイクロバブルの収縮、負電位、自発光という特異な現象に現れていることを紹介させていただきました。

また、どのような装置でも、マイクロバブルが発生していると称して、同じような活性効果が得られるということについては、細心の注意が必要であり、そうしないとすぐに失敗してしまうことについても強調させていただきました。

また、化学的にも重要な特徴を示す事例についても詳しく説明させていただきました。

そして次に、その「未来材料」を用いての「未来技術」としての発展の課題を示しました。

具体的には、健康、食糧、環境など関する課題ですが、ここが非常に重要でした。

さらに、それらにおけるマイクロバブルに関する究明課題とそれらにおける「私の問題意識」も述べさせていただきました。

そして、最後には、化学者とし世界を変えた、ハーバーとボッシュの偉業を踏まえながら、そこから「何を学ぶか」についても語らせていただきました。

これについては、最近みすず書房から出版された『大気を変える錬金術』が非常に参考になりました。

また、この本の「あとがき」には、ノーベル化学賞を受賞された白川静先生の文章があり、これも大変含蓄のあるものでしたので大変参考になりました。みなさんも、ぜひ読まれてください。

こうして、私の講演を無事終えることができましたが、その後の討論も非常に活発でした。

また、マイクロバブルの発光に関しては、その計測法に関する貴重なご意見もいただきました。

さて、5日、9日と、熊本、東京講演を終えてみると、そこから、新たな角度から何か見えてくるものがあるようで、これで、前向き対応の成果がいくつかあったのかなと、思い始めています。

今度は、27日に地元での講演があります。そして来月早々は高知でも講演が予定されています。

これらの講演において、さらなる展開をどうするか、そして、その地元にふさわしい内容をどう盛り込むか、一方ならぬ「知恵と工夫」が必要になりそうです。

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