「経済と環境」を両立させる「新たな産業革命」を実現することは、なかなか容易なことではありません。

おそらく、さまざまな角度から、それぞれの分野において、いくつもの根本的な「ブレイクスルー」や「イノベーション」が起こることが必要になと思います。

そのための「必要条件」を以下のように考えてみました。

①物質の基本的構成要素に関する変革

この世の中は、いくつかの重要な物質で構成されています。空気や水、そして土が代表的な物質といえます。

これらは、長年、それこそ地球が成立して以来存在してきたものであり、この世に生物が生まれてきたのは、これらの物質があったからで、これらは、「生物適応物質」と呼ばれています。

反対に、この適応物質とは異なる物質は「生物非適応物質」と呼ばれています。簡単にいえば、この物質を生物が取りこむと分解できずに、そのまま濃縮してしまう物質のことをいいます。

この生物非適応物質のほとんどは、地球の地殻の奥底に含まれる物質であり、これを簡単に地上に持ち出して不用意に使うことで、さまざまな汚染問題が出現することになりました。

また、空気、水、土などの構成要素は、酸素や窒素、水素、炭素などであり、これらに関わって重要な特徴が引き出されることが大切です。

たとえば、ハーバーとボッシュは、空気中の窒素を利用し、肥料を創り出しました。これが、「空気をパンに変えて、世界中の飢餓を救った」といわれることになりました。

ユーリー・ミラーは、フラスコの中でアミノ酸を創り出し、生命現象の由来に迫る実験を行いました。

これらの偉大な発明や発見が、その後の世界に与えた影響は少なくなく、結果的に重大な富や進歩、さらには科学のロマン与えたことは、みなさん周知のことと思われます。

新産業革命を起こすとすれば、このように、物質の基本的な構成要素に迫る、あるいは重要な変化に結びつく「ひらめき(intuition)」が大切であり、これを重要な発明(invention)に発展させていくことが必要だと思われます(つづく)。

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