すでに、新幹線は新大阪、京都を過ぎて関ヶ原を通過していた。岡山付近では、あれほど澄み切った秋空だったにもかかわらず、ここまで来ると車窓からの景色は一転し、どんよりした雲で覆われる天候に変わっていた。

いつものことであるが、この辺りから東京に着くまでが長いのである。

「そろそろ、本日の昼からの会議の準備でもしようか」

こう思いながら、カバンの中の資料を探したが、なかなか、それが見つからない。出がけに必要なものを乱雑に入れてしまったので、カバンの中が整理できていなかったからであった。

おまけに、かき混ぜるだけの探し方をしているので、それはなかなか見つからなかった。そこで、その手を少し休めて、お茶でも飲もうかと一服することにした。

先ほどのブレンド茶がもう一口残っていた。これを一気に飲み干したところで、「いったい目当ての書類はどこに行ったのだろうか」と思いながら、やや気分を取り戻した。

「そろそろ名古屋か!」

相変わらず曇天が続く車窓の景色を見ながら、いつものように、マイクロバブルのこれからのことがいろいろと思い浮かんできた。

新幹線のなかでは、狭い席に座ったままなので動かせるのは指と頭だけである。この姿勢を保つことを退屈だと思い始めると、一挙に疲れが蓄積し始める。

しかし、これを苦にしない方法を編み出すことができた。それは、上述のように「指と頭を自由に動かす」ことなのである。

考えたことを、指を動かしてパソコンに打ち込み、それを見ながら考え、その考えを指を動かして打ち込む、この作業を繰り返すこと、これに興味を抱くようになる。

これがさらに習慣化されてくると、その狭い窮屈な空間が、むしろ、「お気に入りの空間」へと様変わりすことがおもしろくなるのである。

「4時間以上も座っていると疲れるでしょう!」

「いゃー!それがそうでもないのです。意外と仕事ができるのです」

こういっても、それは私しかわからないことなので、あまりこだわっては説明はしないが、これも、ある意味で「旅慣れの成果」ではないかと思っている。

あるいは、その成果とは、旅そのものが「私の人生の一部」になってしまったことなのかもしれない。

そのお気に入りの席に座ると、真っ先に本ブログの原稿を書くことしている。これが日課となっているので、この席では、不足分の原稿がある場合には、それを一気に書き上げることにしている。

それを済ますと、次は、今後のマイクロバブルのことをいろいろと考えることを常としている。

日ごろは、懸案の事項や相談、そして実験のあれこれがあるので、じっくり考える余裕がなく、この新幹線の狭い席が、自然と、これからの未来のことを考える場となっていたのである(つづく)。

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