「さて、これから、どうしようか?」

車窓からの眺めは、相変わらずの曇り空であったが、先ほどと比べると幾分明るくなったような気がした。

「この様子だと、東京は晴れかもしれないな!」

こう思いながら、ふと、これまでのことが脳裏を過り始めた。

「いやぁ!それにしても、マイクロバブル尽くしの毎日で、おもしろかった。

植物あり、温泉あり、それから饅頭、日本酒など、目まぐるしく、いろいろなことに出会うことができた。おかげで少しも退屈する余裕はなかった。

これからは、いったいどうなっていくのであろうか?」

「それにしても、学生と一緒になって毎日育てた植物物語の日々はおもしろかった!」

「あの饅頭をもっと美味しくするには、どうすればよいのであろうか?」

「世界一、日本一の日本酒ができた理由はどこにあったのか?」

「黒い手はどうして治ったのか、そして黒い入浴水がなぜ出てきたのか?」

次々に湧いてくる疑問で、いつものように頭のなかがいっぱいになってきた!

この状態から脱するには、今度は反対に、そのひとつひとつについて、「なぜか」を深く考え、「どうするか」のおもしろさを明らかにしていくしかない。

この知的推理の様を、いつもジグソーパズルに例えて考えることにしている。

今年は、その作業を進めるために、まずは、それぞれのテーマごとにA3用紙に書きだしてみた。

自由に書いてよいのであるから、「書けるだけ書いてみよう!」と思いながら書きだしてみると、これが尋常な数ではなかった。

「そうか、ここまで来たのか!」

まさに、それは壮観な3次元のジグソーパズルに似ていた。

ここに来て、「飽和から発散」に向かっていた思考が、今度は「別の飽和」に向かっていた。

「三次元のジグソーパズル?それにしても、ここちよいほどの複雑さがあるな!」

「単なる学問的な複雑さではない、実際の現象の生きた複雑さがある!」

こう思いながら、狭い座席に座ったままの私には、徐々に睡魔が襲いかかってきていた。

「このマイクロバブルのパズルをなんとかしなければ・・・・」

列車は、猛スピードで関ヶ原を抜けて、もう名古屋に近づいていた。

ここちよい眠りはさらに深くなっていた(つづく)。

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