「そういえば、楽しくてわくわくするようなコンテストが行われるようになりましたね。宇宙エレベータも、その一つですか?」
「そうなんです。最初は、ロボットのようなものでコンテストを行っていました。それが徐々に発展して、よりふかく、よりおもしろく、ゆかいになっていきましたね。
私が注目したのは、これらの取り組みにおける彼らの目の輝き、これがじつにすばらしいのです」
「目の輝き、ここで結び付くのですね。そのコンテストは宇宙エレベータだけではありませんね」
「そうなんです。これが多様でじつに楽しいのです」
「どこが、楽しくてすばらしいのですか?」
「最初は、ゲームのようなものかと思っていましたが、じつは、そこから進化がなされたといいましょうか。社会の中での困難な問題をテーマにし始めたところから、本質的な変化が起こりました」
「といいますと?」
「今日の社会にはたくさんの困難があります。まるで問題だらけです。ですから、それらの困難に立ち向かって取り組むようになってから、それがおもしろくなっていきました。
難しから壁にぶっつかる、そこで悩む、知恵を絞って、それを乗り越えようとする。ここがおもしろいのです」
「それは簡単なことではありませんね」
「その通りです。簡単なことではないから、そこがよりふかく、おもしろいのです。それを見ている国民のみなさんも一緒に解決しようとする気持ちになる、ここに醍醐味があるのです。
日本中、世界中に問題があるのであれば、それを積極的に受け留め、問題や困難があったら、それを待ってましたと受け留め、貪欲に解決しようと挑む若者の目、これがすばらしいのです」
「なるほど、知恵で勝負ということですね」
「その時の目の輝きと知恵を出す瞬間、ここに何か共通のものがあり、これを知ることがおもしろいのです」
「なんだか、わくわくしますね。このわくわくが、研究や教育において大切なのです」
「そうでしょう。キリキリ研究所の活動では、そのわくわくする研究を行うことが大切ですよね」(つづく)
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