先週に続いて、本日も新幹線で神戸に向かっています。今朝は比較的温かく、太陽からの陽射しも柔らかいようです。

本日の新幹線は、いつもの「のぞみ」と違って、少し後のレールスター、神戸までは乗り換えなしで行けます。12時ごろについて、今日も昼食はいつもの焼肉定食をいただく予定です。

普段はほとんど肉類を食べませんので、こうして出かけるとなると、いつもとやや違う楽しい気分になるようです。

さて、最近、とてもゆかいなことがありました。それは、研究の発表会において、私の予想をはるかに超えて、学生がすばらしい発表を行ったことでした。

よい発表とは、聞き手に興味と関心を集めさせ、わかりやすく理解させる発表のことです。

この場合、優れた論文を書き上げることとはまったく反対の思考と作業になりますので、まず、そのことを理解させる必要があります。

そこで、次のようにいいます。

「もっとも大切なことは何か。それを中心にして発表のシナリオづくりをせよ!」

こういっても、具体的にどうすればよいか、これをなかなか理解することができません。

そこで、学生がつくってきたスライドを眺めます。最初は、1枚ごとに、それを見て、全体の発表シナリオを考えさせます。

「いちばん重要な結果は、どこですか?それを理解できたら、それを中心にしてスライドの充実、追加を考え、それから外れるものは、すべて削除することを考えよ」

といいます。こういいながら、これも削れ、これも無くせというと、学生は少し青ざめてきます。削除すれば、それだけ発表する内容が無くなると思うので不安になるのです。

「すべて、そぎ落としたので、その中心の柱だけができましたね。今度は、その柱にどう肉付けをするか、それを考えて行きましょう!」

こういっても、学生は何をどうしたらよいのか、すぐにはわかりませんので、さらに、続けていいます。

「この一番大切な結果、つまり柱に至るまでのシナリオ、そして、この柱の後のシナリオ、この両方を考えます。

この中心の柱に導かれるまでに重要なアプローチをしているのですから、そのために何をしたのか、ここをふかく、そしてわかりやすく考えていくのです。

その最も大切なデータの前は、どうなっていますか。さらに、その前は・・・・・・」

こうして、その柱の前後を充実していくのですが、その際に、単なるデータや結果の羅列では駄目であることを繰り返し指摘します。

通常の場合、こうした発表の視聴者は、その発表を初めて聴くことが多く、しかも、専門的には異なる分野の方々が多く、それを踏まえると可能な限り、素人にわかりやすく説明する、この配慮がとても大切になります。

そこで、高度な内容において貴重な結果を発表する場合には、それに関する結果を二度、三度を形を変えて繰り返し説明しながら理解を深める発表形式を採用することが重要になります。

たとえば、ある波形の特徴のいくつかをいう場合には、その個々の波形の特徴を取り出して拡大し、そこに説明を加えて説明をすることを試みます。

そうすると、その部分をしっかり理解しながら、さらに全体をも理解するという重要的な理解が可能となります。

こうして、その理解が進むようになると、視聴者の関心が高められ、ぐっと前に乗り出して聴こうとするようになるのです。

通常の学会でも、このように身を乗り出すほどの関心を示す発表はわずかであり、それゆえに印象にも残るのですが、ここまでできると、その発表は成功の域に入ったということになります。

どうやら、今回の発表は、そこまで漕ぎつけたようで、その後の討論も活発に行われました。

直前に、二度三度と、そのスライドの検討を粘り強く積み重ね、知恵を絞って変更、変更を繰り返してきたかいがあったように思われました。

列車は、まもなく岡山に到着するようです。車外からは、相変わらず、柔らかくて暖かい陽射しが降り注いでいます。

ろそろ、本日の会議の準備をする時刻となりましたので、ひとまず筆を置くことにします(つづく)。

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