「世界中のブロードバンド、情報ネットワークが私たちの後ろに控えているということですよ」

「ということは、世界の海のどこに漂流しようとも、心配することはないということですか」

「そうですよ。その通りですよ。私たちは、一人ではないのです。孤立なんかしていないということです」

「キリキリのときとは、ずいぶん違いますね」

「あのときは、世界中に病院を設立する計画を秘密裏に実行する情報が、不幸にも大統領自身の口から洩れてしまいました」

「そうでしたね。あれ以来、キリキリ総合研究所の再建には大変苦労しました」

「私も、いろいろ考えました。そして、病院だけに特化しすぎたのがよくなかったと思うようになりました。そこで、何をすればよいのか、それこそ、真剣に考え続けました。そんな悩んでいたときに、あなたに出会いました」

「そうでしたね。あなたに会えてよかったですね。なによりも、たしかな相談相手ができたといいますか、手ごたえのある理科系がやっと見つかったというところですかね」

「船長に、そういわれると恥ずかしいですね。しかし、いきなり、難しい問題、困難な問題ばかりを示されて、いやぁー、困りましたよ」

「それは、そうですよ。これから、私たちは、気の遠くなるような困難にいくつも直面するようになります。この混迷と困難が山積する時代から目を離し、逃げ出してはいけません」

「こういわれて、私も、むずかしいことをやさしく、そして真剣に取り組むようになりました」

「まず第1の課題は、高齢者を元気にすることでしたね。2010年を前後して、いわゆる団塊の世代が定年を迎え、わが国は猛烈な高齢者社会に移行しました。このお年寄りの方々が最高に活躍できる方法を考える必要があります」(つづく)。