地震、津波に続いて、「原発事故」が小さくない影響を日本列島に及ぼし始めています。

前二者は、私たちに、自然が生み出す「巨大なエネルギー」の「すさまじさ」を見せつけました。同時に、そのことは、これまでの対策や認識が、ほとんど不十分であったことも悟らせることになりました。

自然を前にして、人間という存在がいかに小さいか、それをいやというほど思い知らされることになりました。

しかし、だからといって、人間が、自然にやられっぱなしでよいということにはなりません。いかに、小さくて弱い存在であっても、私たちには、自然にはない知恵があり、不屈に立ち向かうエネルギーを有していることも忘れてはなりません。

力で負けるのであれば、知恵で勝つ、これが人間にとってもっとも人間らしいことなのではないかと思われます。

再後者の原発事故は、前二者と異なり、これは、地震と津波が引き金になったとはいえ、明らかに「人が起こした災い」、すなわち「人災」といえ、その本質が国民のみなさんの前に徐々に明確になり始めています。

すでに、各種メディアにおいて、この事故に関する解説や優れた報道がなされていますので、詳しくは、そちらに譲りますが、私なりに気になっていることを、これから述べさせていただきます。

まず、現時点での最初の、そして最大の心配は、放射能の汚染拡大の問題です。

その実態の深刻さは、ますます明らかになっていますが、それらのほとんどは、風向きがほとんど海の方に向かっているときのデータではないかという問題です。

すなわち、現在は、北からの、つまり陸から海に向かって吹く風がほとんどであり、放射能のほとんどは海側に流されているはずです。

インターネット上では、その風向きと放射能の拡散状況に関するシミュレーション結果も流されていますが、それを見ても、陸側に、すなわち海風が吹いているのは、ほんのわずかな時間しかありません。

これから、徐々に気温が上昇し、春になってきますと時間帯によっては海風が吹く回数が多くなり、それによって、かなりの汚染の拡大がなされることは容易に推測できることといえます。

同時に、その場合には、すべてに放射状に汚染が拡大するのではありません。海風が、陸地に向かって吹く場合にも、特殊なルートを辿って吹いていくはずです。

こうなると、現在の避難勧告ゾーンはほとんど意味がなくなります。それを突き破って、風が放射能をより遠くまで飛ばす可能性が出てくるからです。

現に、陸地においても考えられないほどの高濃度汚染地域が生まれていますが、これも風の通り道上で形成されたものと思われます。

その海風が陸地に向かって容赦なく吹き始める前に、肝心の汚染源における放射能の発生が食い止められること、そのことが実現されるように心から願っています(つづく)。