本日は、新幹線で豊橋に向かいました。いつもの7時45分発の「のぞみ」には寸前のことろで乗り遅れ、次の8時4分発の「こだま」で広島へ、そこで「のぞみ」に乗り換え、12時ごろに豊橋に到着しました。

その新幹線のなかでは、例によって、シンポジウムの2つの講演(基調講演、研究報告)の準備を集中して行いました。

直前での準備は、いつものことですが、そのスライドづくりを行うことによって、講演のシナリオが自動的になされていきますので、それが終わると、ほぼ講演の下準備は終わり、そして本番というスタイルが定着しています。

まずは、そのシナリオの基本づくりから始まります。導入部分、メインテーマに関わる部分の内容充実、そして結末へという起承転結のシナリオを描いていきます。

じつは、この段階が一番時間がかかり、あれやこれやと繰り返し、やり直しをしていきます。もちろん、そのための前もっての準備がなされていないと、この作業は円滑に進みません。

今回のものは、第1回、第2回と講演を繰り返しながら、それを充実発展させたものですから、それなりの到達点が得られていました。

さて、今回の講演のメインテーマは、「技術力」に関することでした。わが国日本は、今なお、その技術力水準において世界第二位を維持しています。これが、「ものづくり日本」を支えてきた裏付けになっています。

ところが、その技術力水準を維持しながら、肝心の「産業競争力」においては、世界第27位にまで落ち込んでしまっているのです。

簡単にいえば、日本の商品が世界のほとんどの分野で競争力を失い、負け続けているのです。

そして、これがよいものを作っても世界に売れない、この深刻な状況を生み出しているのです。

さらに、この状況に追い打ちをかけて、地震、津波、原発事故という途方もない災害と人災が発生しました。

このことは、毎日の報道で、みなさんよくご存じのことと思われますが、その日本において、もう一度根本的なあり方を考え直す必要があることを私たちに教えつつあります。

ここで踏ん張り、「おっと、どっこい生きているぞ」という精神が、言いようもない悲しみを踏まえて、たしかに蘇ってきているのではないでしょうか。

その意味で、この技術力を国難に対して有効に発揮させ、その「救国の武器」にする必要があります。

そんな思いを込めて、2講演の準備をさせていただきました。