新聞報道などメディアによれば、原発危機は幾分治まったように見えますが、その危機的事態の本質は依然として変わっていないようです。
それは、炉心溶融が起こり、それを冷やすために水を入れていますが、それを収めた圧力容器や格納容器の一部が破損していることから、そこから汚染された水が漏れ出していることが続いているからです。
さて、この間、その汚染水を海に流すことがなされていました。
その第1は、「低濃度廃棄物処理室」に入れられていた低濃度の汚染水約3万トンを意図的に流したことです。これには、上記の高濃度汚染水が海に流れ出しているので、それを止めて、その水を入れるためだと説明されました。
この問題が看過できない理由は、以下の通りで、重大な問題を指摘せざるを得ません。
①「低濃度」という説明はなされたが、何がどれだけ入っているかの説明をせずに3万トンもの大量な汚染水をながした。
②やむをえない事故で流れたのではなく、意図的に流した。すでに、メガフロートやタンカーに一時収納して処理をするという計画が実行されていたにも関わらず、それを待たずに慌てて捨ててしまった。
③外国には直前の通告しかなく、これが外国からも批判された。
④海に捨てた後は、何もなしで、その影響を調べるつもりもなく、いわゆる「捨てっぱなし」を強行した。海では拡散が起こるからよいとでも言いたそうですが、これも許されるものではない。
これは、「わずかだからと、他人の家にゴミを捨てて、そのままにする」ことと同じような行為であり、とても社会常識的には、とても許されたものではありません。
しかし、それが堂々と強行されてしまいました。メディアにおいても、この問題の重要性はあまり指摘されませんでした。
しかし、ここに、この問題の本質が現れているように思いました(つづく)
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