第2は、2号機周辺のピット付近の割れ目から流出していた高濃度汚染水を海に流していた問題です。

本日の発表によれば、この高濃度汚染水の濃度は、4700兆ベクレルというとんでもない数値です。これは、年間許容量の約2万倍というのですから、これを海に流し続けたのですから、尋常ではなく、決して許されるべきことではありません。

専門家によれば、この流出した放射能の量は、大気中に出された放射量の約15分の1が流れ出したことに相当するそうですから、大変な量が海に流出したことになります。

さて、この流出による海について詳しい調査がほとんどなされていません。ですから、その影響については何も分かっていない、これが現在の状況であり、海の危機が進行しているように思われてなりません。

次は、ピット付近の割れ目から汚染水が流れ出した量の問題です。東京電力は、ここから流れ出す汚染水の量を撮影された画像から、その流出量を計算していました。

その量は、1日~6日までで520トンと推定されています。これを時間あたりに直しますと、3.61トンが流れていたことになります。1時間あたり、約3.6トンといっても、みなさん、ピンときません。

そこで、もっとわかりやすく理解するっために、これをさらに細かく見ることにして、1分あたりに計算し直しますと、約60リットルが流れ出したことになります。

毎分60リットル、これを考えるには、バケツに水を入れることを考えればよいのです。直径40~50cm程度の中型バケツの容量が60リットルていどですから、これを1分間で満杯にする量が、上記の割れ目で流れ出した量というのです。

これは明らかに過小評価をした推定値といわざるをえません。

私は、あの割れ目から出ている汚染水の様子を見て、その量を毎分約1トンと推定しました。

これは、東京電力の推定量と明らかに異なり、それを比較しますと約16倍にもなるのです。

となると、6日間で流れ出した量は、520トンどころか、その16倍にもなるのです。仮に、その量を10倍としても、5200トンもの高濃度汚染水が流れ出したことになるのです。

そうなると、上記の総流出量も10倍化しますので、4700兆ベクレルの値も10倍ということになります。

さらに、大気に出された総量の15分の1の数字も跳ね上がります。

この推定量において、どちらの試算が正しいか、それは、あの流出写真の事実がありますので、それを再現すればすぐにわかることなのです。

この流出は、6日に止まりましたが、それから2週間も経って、その汚染濃度の値を発表する、しかも、その推定の流出量があまりにも過小評価されている、はたして、このようなことで本当に信用されるのでしょうか。

私には、それがますます揺らいでいるように思われます(つづく)。

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