あの2号機周辺のピット付近の割れ目から流れ出ていた大量の高濃度放射能汚染水は水ガラスによって遮断されました。

このとき、近くのトレンチピットの水位は、ほとんど変化しませんでした。この水位がほとんど変わらない状態は、今も同じです。

ということは、この割れ目から流出していた汚染水とトレンチ内の水はほとんど関係がないということになります。

なぜなら、これが関係していればすぐに水位が上がり、そこからあふれてくるはずです。

ところが、そのような越水現象は起きていません。

さらに、1号機および2号機から流出した高濃度汚染水の廃棄物処理施設への移送が始まりました。

この移送の際にも、このトレンチ水の水位はほとんど顕著な変化を見せませんでした。

これらはいったい何を意味するのでしょうか?

コンクリートの割れ目からの流出を防ぎ、そして、地下水槽の汚染水を運んでも、その水位が変わらなかったことは、これらに依存していない、すなわち、それらとは別の系統において、その水位(圧力)を保っているということです。

これは、まだコンクリートの割れ目から汚染水が出ていたときに、白い色素を入れて、その流出具合を調べたことがありますが、その時には、トレンチのなかや海の一部が白く濁るということはなかったと報告されていていました。

となると、完全に水を循環させて冷却しているのなら別です。しかし、それはできていないということですから、水を原子炉容器内入れ続けていることは間違いないわけで、その水はいったいどこに行ったのかということになります。

この水は、高濃度の汚染され、しかも大量であり、私の予測では毎分1トン前後の水が、どこかに流れているということが容易に予測されます。

いったい、この水はどこに行っているのでしょうか。原発の地下水槽に溜まっているのでしたら、そのトレンチの水位は徐々に上がってくるはずですが、実際にはそうではありません。

となると、地下か海かしかありません。いずれにしても、そのいずれかか両方に途方もなく流入している可能性が考えられ、そのことを想定しますと、これはとても安心して見過ごすことができない問題だといえます。

隠れたところで、原発危機はますます進行し、拡散している、この「不都合な真実」が、「真実」でないとよいのですが・・・・(つづく)。

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