これまでリアス式海岸のように、内部に進行するに従って、津波のエネルギーが増していく場合の対応法について検討してきましたが、次は、宮城県湾岸のように広い領域にわたって津波が襲来した場合の検討を行います。

これについては、沿岸部での対策は、低い堤防、松林しかありませんでした。そこで、今回の地震と大津波は、海岸部の地盤を沈下させ、そこに一挙に大量の海水が流れ込んで、家屋やビニールハウスをなぎ倒していきました。

そして、津波が引いた後には瓦礫がのこり、同時に海水もそのまま居座ることになりました。これでは塩分土壌となり、農地としてはまったく使えないことになりました。

政府は、この塩分除去のために全額補助をすることを決めましたが、それを終えるには2年、3年とかかる見通しを述べています。

そこで、この地域の津波対策を考えるには、まず、津波のエネルギーを衰退させる「知恵と工夫」が必要ではないかと思われます。

広い領域ですから、万里の長城のような高い堤防を全域にわたって築くことはなかなかできないことです。

そこで、まずは海に近い海岸線に松を植えて林を作ります。これは、依然と同じですが、その幅を広げて、より安全で、観光名所にもなりうる松林とすることが考えられます。

しかし、それでは、不十分ですので、津波防御策として、コンクリート防御砦を建設することが重要です。これは、津波のエネルギーを減衰させるとともに、周囲の方々の緊急避難場所としても利用可能にするのがよいと思います。

この砦は、堤防のように連続体とせず、津波は、その周囲を通過していくことになりますから、ここで完全に遮断することはできません。その意味で、第1の防御手段が松林とすれば、このコンクリート砦は、第2の手段といえます。

当然のことながら、これらでは、津波の襲来を完全に防ぐことはできません。その意味で第3、第4の手段が必要であるといえます。

その第3の候補が道路です。今回の津波襲来の映像を見て、道路は、その役割を十分に果たしていました。

そこで、海岸線にそって、高い道路を複数建設することによって、津波の防御が可能となります。

おそらく、津波対策を考えた道路づくりという発想は、これまでなかったことですので、今後、大いに検討されるべき問題といえます。

このように考えますと、海岸線から道路までの土地利用問題が非常に重要になりますので、それについての検討が次に必要になります(つづく)。

MR900423702