歌の力が生まれたての赤ん坊に非常に有効であることを知った母親は、それから毎日のように歌を唄ってあげました。

また、歌だけでなく、語りかけるときも、歌のように語り、その度に、赤ん坊の反応を確かめていったのです。

そして、その生後まもなくの赤ん坊も、その刺激に見事に反応し、徐々に、しかし確実に成長していったのです。

そのことが如実に明らかになったのが、生後1カ月ごろに設置されたテレビ電話スカイプを用いての交流でした。

近頃は、非常に便利なものがありますね。毎日、このツールを用いてテレビ会話ができるのですから、これはすばらしいことです。

早速、スカイプ用のカメラを2つ購入し、その一つを赤ん坊の母親に送って、そのテレビ電話を始めることにしました。

そこで、その画像になかにいる赤ん坊に、再び、歌を届けることができました。こちらには、美しい声の持ち主がいますので、先日の直接目を見て唄いかけた効果が、この画面を通じて発揮されるかを確かめてみました。

すると、どうでしょう。その歌を聞くまでは、それこそわさわさとしてせわしなく動いていた赤ん坊が、その歌が流れるやいなやぴたっと動きを止めて、じっと耳を澄ませてきているではないですか。

これには、驚きを隠すことができませんでした。今回も、まったく同じ反応を示したからで、その意味でテレビ電話の効果も確かめられたのでした。

「めぇー、めぇー、森の児山羊」

この歌が一番気に入っているらしく、この歌で成長し始めたのです。一日何回と、この児山羊の歌を聞き、その度にじっと集中して聞くことを修得することができるようになりました。

これは、じつにすばらしいことであり、ヒトには歌に本能的に反応し、歌を本質的に好む資質があることを意味しています。

ここで大切なことは、その赤ん坊と母親や大人が相対面していることにあると思います。一人では何もできない赤ん坊ですから、粘り強く働きかけることによって、その共感能力が向上している事実こそ重要ではないかと思われます。

このテレビ電話を繰り返して、その度に歌を届けていくうちに、その赤ん坊はさらに進化し始めました(つづく)。

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