毎日の報道が示しているように、深刻な「原発危機」の状況は少しも解消されていません。

約2ヶ月も遅れて、しかも国際的な監視団体(IARA)が方する直前になって、福島第一原発の1号機の原子炉(圧力容器)内で、事故直後から空焚きがなされ、ほとんどの炉心のメルトダウン(炉心溶融)がおきていることが発表されました。

事故当初は、しきりに次のようにいわれていました。

「炉心溶融(メルトダウン)など起こるはずもない」

「起こったとしてもわずかである」

「75%が溶けだした(これは、後に53%と訂正された)」

そして、今度は、そのほとんどが溶けてしまったと報告されたのでした。いくら、後で解析しなおして判明したといっても、「それで済むような話ではない」ように思われます。

しかも、1号機においては、この圧力容器が破損し、それを包む格納容器も同じく破損しているという途方もないことが起きています。

これをある原発設計者は次のようにいっていました。

「これは、原発からの放射能が出てくることと私たちの生活が直結していることを意味します」

しかも、この丸ごとの炉心溶融は1号機に留まらず、2号機、3号機においても起こっていることも、その数日後に明らかにされました。

こうして、3つの原子炉においてほとんどの燃料棒の炉心溶融が起こり、しかも、その容器が破損している可能性があるというのですから、これこそ人類史上初めてのことが目の前で起きているいるのです。

このことをじっくり考えてみますと、それこそ何が起こるのか、予想もできない問題がいくつも起こってくる可能性があるのではないかと思います。

それにしても、原発の地下には、大量の高濃度汚染水が滞留しているようです。しかし、これが地下や海域に流出していないか、この心配をぬぐうことができません。

それから、この高濃度汚染水の処理にも莫大なお金がかかるようで、これも天文学的な額になるような気がしていて、これも大変なことだと思います。

各人が、いろいろな事を想定しながら、必要な対策を講じていくことが重要になりそうです(つづく)。

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