こうして広島江田島から、北海道噴火湾、三重英虞湾と続いた一連の水産養殖改善の結果を踏まえますと、そこには次のような特徴がありました。

①マイクロバブル発生装置を、その都度改良していくことで、より効果的な装置開発が可能となり、現場に役立つことになりました。

すなわち、M2ーL 型のカキ用、M3ーL型のホタテ海面用、M2-M型4機のアコヤガイ用と装置が進化していきました。

②ここでは、装置の構造の単純化と小型化が模索されており、それが持続的に追及されることになりました。

③同時に、広島カキ養殖改善の研究において見出されたマイクロバブルの生物活性作用、これについても、その後に重要な解明がなされていきました。

その第1は、この生物活性が酸素濃度の変化とは無関係に発生する固有の特徴であることを明らかにしたことです。

これは非常に重要な解明であり、マイクロバブルの生物活性作用のメカニズムを解明するうえで決定的なヒントになりました。

「マイクロバブルの生物活性には何か独特の今まで知られていないメカニズムがあるのではないか」

この仮説を抱くようになっていったのでした。

第2は、水温が高温になり過ぎると、マイクロバブルの効果ですら及ばなくなるということでした。

真夏の暑い時に、三重の英虞湾で実験をしているときでした。アコヤガイの心臓に血流センサーを付けてマイクロバブルによる、その促進効果を調べているときに、その限界を見出したのです。

「おかしいな?マイクロバブルをいくら与えても、血流促進が起こりません」

このようにいわれ、首をかしげながら、その原因を探っていくと、その時の水温が30℃近くにまで達していたのです。

アコヤガイも植物と同じで、水温の高温限界が約28℃であることを後に知りましたが、その時には、その限界があることを知りませんでした。

「おかしいな?と思いながら、水温が下がるまで待ってみましょう」

こういいながら、水温が29℃以下になると、マイクロバブルによる血流促進の効果が発揮されることを見出すことができました。

こうして、装置開発とともに、マイクロバブルによる生物活性に関する貴重な成果が一歩一歩現場で積み重ねられて行きました。

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