広島カキ、北海道ホタテ、三重真珠に続いて有明海タイラギ漁改善にも取り組みました。この時には、装置をさらに改良しました。それらの特徴を列挙してみましょう。

①広島カキ マイクロバブル発生装置(カキ筏用、M2-L型、水中ポンプ1台に発生装置2機)

②北海道ホタテ マイクロバブル発生装置(M3-L型、水中ポンプ1台に装置2機)

③三重真珠 マイクロバブル発生装置、M2-M型(洗浄船配備のポンプを利用し、装置4機)

④有明海タイラギ マイクロバブル発生装置、M2-MS型6機と4機を各2セット、合計20機

 タイラギは、実験用の浜に沖から移植して専用の実験地域(浜)で行うことにし、その周囲に、実験用水中ポンプと合計20機のマイクロバブル発生装置を配備しました。

そして、水中ポンプは潮の干満に応じて自動的にスイッチがオン、オフになるようにし、一日12時間のマイクロバブルの発生を自動的に可能にしました。

この浜では、すでにタイラギが住めなくなって久しく、ここで立派に成長すれば、それこそ人工的にタイラギを養殖できることにもつながりますので、少なくない関係者から注目されることになりました。

しかし、このころから、沖で獲れていたタイラギがめっきり少なくなり、ほとんど見当たらないという状況に追い込まれ始めていました。

それゆえに、この浜でのタイラギ移植実験実験の持つ意味も小さくありませんでした。

私たちも、月に1、2回、それこそ足しげく、この有明海の三井港の浜に通いました。このとき、装置は、海岸壁から約80mに設置し、それこそ浜の砂の上に据付ました。

この辺りは、砂といっても粘土質の黒いもので臭いを嗅ぐとわずかに腐敗臭がして、やがて生物が住めなくなる恐れのある砂浜でした。

それでも、場所によっては、アサリが獲れるところもあり、それを掘りに来る漁師の方もあるところでした。

この浜に装置を据え付けたのちに、それが正常に作動しているかどうか、この点検を行いました。

ここで困ったことは、装置がすっぽりと砂浜の上に現れるのは大潮の時のみであり、その時刻に合わせて、こちらも入浜するというスケジュールを組まざるを得なかったことでした。

その大潮で一番潮が引く時刻、これがいつも、早朝の3時~4時であり、その時刻に合わせてホテルを出て、短時間に、その点検を済ませる作業を行いました。

しかし、この作業に手間取ると、潮が満ちてきて、それこそ、冬の海中で濡れながら作業をすることもあり、それこそ試練を経験し、文字通り心身を鍛えられました。

そして、その鍛錬が進むとともに、マイクロバブルの効果が徐々に現れてきました。何が変わってきたのか、それを、それこそ鋭い観察力で見分ける必要があり、そのために、足しげく浜に通い、その浜で、じっと時間の許す限り、佇み、足下を見続けることが重要でした。

現場に赴き、手早く点検と修復の作業を行い、おして隈なく観察する、しかも鋭く丁寧な観察を行う、それを何度も行うことで、マイクロバブルによる微妙は変化を認識できるようになるのです。

このころ、よく、次のような発言をしたことがありました。

「あなたは、何も変わっていないとよく仰りますが、現場にいって、浜を歩いて、じっくり足下の浜を観察したことがありますか?」

「遠くから眺めているだけでは何もわかりませんよ!」

「スコップで砂浜の表面の砂を除けて砂浜の中を観察したことがありますか?」

「マイクロバブルの装置の近くの浜と遠くの違いがわかりますか?」

これらは、、それこそ足で現場を踏んで確かめながら、自問自答を繰り返し、「そうか、ここに違いがあったのか、こうして何度も確かめないとわからにことだ!」という思いを抱くことで形成された観察の結果として生まれたことでした。

「観察力」、これは、現場に足しげく通い、そこですべてもものを丁寧に、そしてじっくり観て、その場で考える、さらには、この観る目を養い、修行するというとても大切なことが問われていて、マイクロバブル博士としての私も、随分、修行をさせていただくことになりました。

そして、その修行のおかげでしょうか、そこには、驚くほどの「マイクロバブルの世界」が創造されることになりました(つづく)。

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