生後120日を過ぎたころから、手をよく動かすようになりました。これは、目の前にあるものを掴み、それを口の中に入れて確かめたい、このような要求と動作に結び付いているようです。

自分の指を口の中に盛んに入れてしゃぶるのが好きです。それから、周囲に対しても好奇心が働くようになり、よく観察ができるようになりました。

そして、目と目が合うようになると、にこっと笑顔を浮かべるようになりました。それから、機嫌がよい時には、キャーと大きな声をあげて笑うようにもなりました。

この笑う行為は、相手がいないと実現できないことであり、あきらかに、相手があって初めて生まれてきた行為といえます。

おそらく、この緑子の笑いは、母親との日々の対面のなかで育てられ、体得してきた行為であり、その母親の笑いが、子どもへと伝授されていったのだと思います。

その意味で、笑いは、人間同士によって生み出されるものであり、それは脳の発達とともに、互いに認め合いながら繰り返される行為でもあるといえます。

ですから、悲しみや恐れ、不安とはまったく異なる高次の脳の行為ともいえ、その最初は母親から子どもに伝授されていくのです。

よく笑う母親からはよく笑う子どもが育てられる、これも何か一理があることのような気がしています。

こうなると、笑いは互いに認め合うという意味において、とても大切な行為といえ、笑いが取り持つ仲、これが大切になります。

人間らしさの原点のひとつ、それが「笑い」であり、この緑子の笑は、その大切な何かを教えているのではないでしょうか(つづく)。

Yhat