昨日の早朝散歩は、いつもと違っていました。出かける前に、ジャケットのポケットの中を確かめ、紙幣を持っていると判断して出かけたのですが、それはいつものコーヒー屋の伝票でしかなく、やむなく、散歩の途中のコーヒーが飲めずに引き返すことになりました。

そのせいで、ブログ記事を書く機会を逸し、おまけに急ぎの仕事が入り、さらに中断を余儀なくされました。

近頃は、時間があまりないといいますか、時間に追われていながら、それを楽しみながら仕事をしているせいか、なにかと集中的にこなすパターンが多く、それが昨日の作業となりました。

その仕事とは、発表用のポスターを作ることであり、その内容は、「マイクロバブルの物理化学的特性を活かした技術開発」に関することでした。

これは、昨年度の長岡技術科学大学・高専連携における共同研究に関することでした。

この共同研究が長岡技術科学大学からの推薦を受けて、今年の全国高専テクノフォーラムにおけるパネル展示とさせていただくことが決まり、急遽、その作成に取り掛かりました。

この主題は、昨今の訪問者の方々とも深く議論していることであり、文字通りのマイクロバブルの物理化学的特徴を最大限に活かした技術開発の具体的実行が非常に重要になっています。

この技術開発の事例としては、①世界一三連覇を果たした日本酒造り、②拘りの饅頭づくり(いわむらもみじ屋のもみじ饅頭)、③元気高齢者続出のマイクロバブル温泉の3つを取り上げました。

いずれも、マイクロバブルの物理化学的特性と生物活性機能を高度に活かした典型的事例といえます。

このように、マイクロバブルという新技術が、さまざまな分野で、それこそ大衆的レベルで根付いて発展し、評価を受ける様は、とても荘厳でゆかいなことであり、ここに低くない社会経済的価値の存在を見出すことができます。

さて、少し安堵の時間は、あっという間に過ぎてしまい、今週からは、再び忙しくなりそうです。今月末からの陸奥への再旅行の準備がいくつも存在しているからです。

主要な装置の発注、手配を行い、さらに、今度は細かい部品や消耗品をすべてそろえて行く必要があります。

これまでも、いくつかの現場をこなしてきましたが、必要な物品において、その一つが足らなければ、その装置の組み立てや稼働ができなくなります。

装置をきめ細かく設計し、その後は、その製作された装置の組み立て加工を行い、それが正常に動くかどうかをすべて現場で確認しながら前に進めていくことが求められます。

この過程では、非常に丁寧でしっかりした現場の作業力、実践力が必要になり、これらを含めての総合的な技術力が求められますので、これを目の前で経験することが、技術者にとっても、そして学生にとっても非常に重要な教育になります。

これを「たたき上げ」とでもいうのでしょうか、現場で、この経験を重ねているうちに、いつしか身についてきたような気がしています。

これは、師匠とも呼ぶべきK先生、恩師のS先生、それから、N師匠(こう呼ぶと喜んでいただけた地元企業の元工場長)のみなさんから学ばせていただいた最も重要なことであり、「現場力」とも呼べる重要な資質といえます。

そして、この現場力が発揮されることによって完成させられた装置のシステム全体が稼働し始めると、その現場からは「宝物」が見いだせる可能性が生まれてくるようになります。

まさに、「現場には、宝物がいくつも転がっている」のです。

「今回は、どのような宝物を見つけることができるか?」

具体的には定かではありませんが、かつての現場の数々においては、それに相当するものがいくつもありましたので、柳の下のドジョウではありませんが、今回も期待を寄せてみようと思っています。

しかし、実際においては、「宝物」と夢みたいなことをいって済むわけではありません。そこには、リアルに現象を観察し、評価できるような透徹した「科学の目」も必要になります。

科学の目、装置の設計力、現場での組み立て力、装置を稼働させることによる技術の達成力、これらが真に問われることになりそうで、そのためにも、粗相がないように万全の準備をして、陸奥の旅に再び出かける予定です(つづく)。

ゴッホ