マイクロバブルが大船渡湾で稼働し始めて9日目です。暑い夏、6mの水深下でマイクロバブルを立派に供給し続けていることと思われます。

これから次の第二ステージに向けて準備を再び始めることにしました。

いまだ、先日の第1ステージの疲れがとれないまま、そしていざ職場に戻れば、その仕事に追われる毎日ですが、そのはざまでなんとか知恵と気力で、切り盛りしていくしかありません。

さて、第1ステージの課題は、従来に例がない104機のマイクロバブルを同時に、かつ大量に発生させることでした。

ここに至るまでには、さまざまな課題があり、これらをみなさんの温かい支援を受けながら、なんとか突破することができました。

今振り返りますと、その成就には、それこそ艱難辛苦が待ち受けていて、ある意味で「奇跡」に近いことだったかもしれません。

そのかいもあって、マイクロバブルが今も海の中で発生し続けていることも、まるで夢のようではなく事実として存在しているのですから、その「かけ橋」ということができます。

さて、少しだけ、その第1ステージの準備から稼働までを振り返る余裕が出てきました。

本プログラムが採択されて以降、その準備の最初は、以下にマイクロバブル発生装置104機を現地に則して、いかに設計し、配備するかを考え抜くことでした。

装置は、すべて、こちらで製作した後に運搬、現地でそれらを組み立てられるようにしました。そのためには、装置の小型化、軽量化が不可欠でした。

そこで、「大型マイクロバブル発生装置」の実体を、小型化した装置の4つのセットに小分けし、それに小型水中ポンプを配備するという基本方式にしました。

この工夫が現場の水付けにおいて功を奏し、小型船に乗った二人のみで、この据え付け作業をすることができました。

これが、大型のままで重量がある場合には、クレーン車で運んでつりさげて下す、しかも比較的大きな船でもクレーンが必要となり、そのほとんどが人力では難しくなっていました。

もちろん、被災地には、クレーン車も大型の船もないのですから、この工夫が文字通りの現実的対応となりました。

そこで、第2ステージにおける最初の課題は、マイクロバブルの拡散状況を詳しく調べることです。これが、数メートルなのか、数十メートルなのか、さらには数百メートル以上なのか、これを正確に観察し、把握する必要があります。

さらに、その拡散状況に応じて、海洋生物がどのように変化・再生するのか、これを詳しく明らかにすることも重要です。

また、この海洋生物の再生は、水質の浄化と連動するものであり、水質の浄化が進むにつれて海洋生物の再生と発達が実現するのであり、この観察を詳しく行うことが重要です。

さらに、マイクロバブルに対する認識が進むことによって、個別のカキ漁師の対応が求められることになり、それを検討することも必要になります。

さて、第1ステージの様子が、20日のNHK「おはよう日本」で放送される予定という連絡を受けました。7発29日の大船渡入りから、8月2日までの装置試運転までを丁寧に取材していただきました(つづく)。