小雨の一ノ関駅から降りると、I高専のT先生とK先生がお待ちになっていました。早速車に乗り込み、気仙沼に向かいました。

車中では、今回の東日本大震災支援プログラム大船渡プロジェクトに関するその後の取り組みについていろいろな意見交換をしました。

また、K先生とは、このプロジェクトを高専連携で発展させるための科学技術的課題に関する意見交換を行い、その問題意識を互いにより深めることができました。

気仙沼では、地元漁協のみさなさんをはじめ、自治体や議員の方々の前で、今回の東日本大震災支援プログラムのことやマイクロバブル技術の適用に関する問題を説明しました。

講演の後も、質疑応答で大変盛り上がり、約30分近くのやり取りが続きました。

これらで、みなさん、とても納得されたようで、共同の取り組みをする機運が生まれてきました。

今回は、大船渡だけでなく三陸地方の閉鎖海域がすべて激甚な被害を受けましたので、どこでも、可能な限りの支援を行うことが原則です。

この原則に背くことはできませんという主旨のことを述べ、これもみなさんに納得していただきました。

このやり取りの中で、ある方が次のように言われえていたことが心に残りました。

「いままで、たくさんのマイクロバブルという装置が持ち込まれてきました。しかし、いずれも駄目で、ことごとく失敗状態でした」

これに対し、次のように返事をしておきました。

「そうですか。いまでは、いろいろな装置が氾濫しています。

それから、どのようにしたら成功するかのノウハウを知らない方も少なくなく、そのような方々は、マイクロバブルであれば何でも成功すると思われていて、結果的に失敗してしまうことが多いようです。

現場の事情に合わせ、目的をしっかり定めて、マイクロバブル技術を適用しないと、すぐに投げ出してしまうことが少なくありません。

これは、研究者としても重要な教訓といえます。私は、広島、北海道、三重県など全国各地の閉鎖海域で研究を行ってきましたが、そこに適した装置や使用法を工夫しないと簡単には成功しないことをよく理解してきました」

気仙沼には、気仙沼にふさわしい方法を現地の皆さんと一緒に知恵を出して考え、実践する、この基本が何よりも大切なのです。

夕方になり、気仙沼から、陸前高田を通り、大船渡に向かいました。気温も下がって、山口とは比べものにならない涼しさでした(つづく)。

大船渡蛸の浦で作業ー11

大船渡湾での作業風景、船越正成氏提供。