先日、丁寧な取材を受けたNHKテレビの全国放送が、「おはよう日本」でなされました。当初は月末と聞いていましたので、少し早まったようです。

放送時間帯は、7時台と聞いていましたが、それが約10分早まったようでした。早速、放送を見たという知人、友人から電話やメイルをいただきました。

まず、放送が始まって、おやっと想ったのは、そのタイトルでした。

「特産カキ、科学の力で復活へ」

「特産カキ」とは「赤崎カキ」のことであり、「科学の力」とは「マイクロバブル」のことです。

そのマイクロバブルが力を発揮し、赤崎カキを復活させる、この課題の解決が求められている、これがNHKの設定した主題でした。

さて、この場合のマイクロバブルに求められた「力」とは何でしょうか? この難しい課題をよりやさしく、そしておもしろく解説することが重要です。

大船渡湾においては、その湾口堤防が大津波で破壊されたとはいえ、その水質の悪化が心配されています。

相変わらず、被災した地域からは降雨による流出によって汚水が入り込んでいます。閉鎖性が強く、そして浅い水深ですから、それだけ水質が悪化するときも急速に進行してしまいます。

本日も、地元のカキ漁師のSさんが、海の状態を見て、鋭く「赤潮が出ている」と指摘をしていました。本日の水温は22度、これがより高温化すると水質も悪化をたどることになります。

そこで、マイクロバブルの力とは、この水質悪化を食い止め、逆に浄化を進行させる能力のことをいいます。

また、単なる水質浄化に留まらず、カキなど海洋生物の物質代謝を活発にし元気にすることが同時に重要です。

子供のころに、「グリコ」というキャラメルがありました。これは、元気の素であるグリコーゲンから示唆された用語であると思っていますが、その形成は海のカキにおいても重要な「元気の素」となります。

カキやホタテの貝柱、さらにはアコヤ貝において、その身が白っぽく見える部分に、その元気の素が形成されるのです。

ですから、元気にすくすくと成長していくカキ、身が白く、そして「ぷくっ」とよく膨れたカキほど優れたカキであり、それが、このご当地の「赤崎カキ」だったのです。

これに対し、「たらーっ」と瘠せて、黄色っぽい色をしたカキは、貧相なカキであり、水質が悪く、餌となるプランクトンが少ないところで育つたカキの特徴といえます。

それから、良く死ぬカキ、夏場の暑さに耐えられずに体力を消耗し、最後にはしんでしまうカキが増えると、それも海の水質が悪くなった証といえます。

当然のことながら、グリコーゲンを蓄積できていないカキは弱く、数日間の短期的な水質悪化にも耐えられなくなり、死にいたるのです。

こうして考えますと、マイクロバブルに求められている力とは、その大量の斃死を防ぎ、少々の水質悪化の状態に至っても、元気さを保って生き抜くことができる力といえます。

さらには、体力消耗で身を細るのではなく、逆に太らせることができる、そしてアクティブにグリコーゲンを蓄積して成長できる力ということになります。

これこそ、現場の漁師のみなさんが欲せられている能力であり、その発揮が試され、期待されているのです。

逆にいえば、そのような能力を有しない「マイクロバブル」は、本当の「マイクロバブル」ではないともいえます。

その意味で、マイクロバブルに求められている力とは、この窮地に陥っているカキとカキ漁師、そして大船渡湾をなんとか改善できるかどうか、そのことが問われているのであり、そのNHKのタイトルは、そのことを示唆したものではないかと思われました。

最初のシーンでは、NHKが撮影してきた東日本大震災・大津波の災害のリアルな様子が示され、その深刻な状況が明らかにされていました(つづく)。

Tako-5

マイクロバブル発生装置据え付けの様子(YO氏提供)