今年の四月に、家内から、「とべ バッタ」という名の絵本をプレゼントされました。
「なにを、今さらら絵本なんて!」と思われる読者の方々が少なくないと思われますが、私も、当初は、そのように思っていました。
しかし、この本を孫に聞かせ、そして、なぜか、この本に反応する孫の姿を観て、「この本の魅力」について考えてみようという気になりました。
絵本ですから、一度読んでみれば、その粗筋を理解することができます。しかし、子供の成長とともに、その時々を考えながら読んでいきますと、ここには数々のエピソードが生まれることになります。
そして、その読書の度に、子供だけでなく、社会の人々、そして周辺の人々に対しても、この物語が当てはまり、有益である事例にいくつも出くわすことになりました。
「とべ バッタ」とは、その意味で単なる子供の絵本ではないのです。考えてみると、そして見渡してみると、この世の中には「とべないバッタ」が少なからずいるようです。
もしかしたら、飛べるよりも、飛べない方が多いのかもしれません。
なぜでしょうか?
もしかして、私も、その一人であり、それゆえに、この本をプレゼントされたのか。
それとも少々は飛んでいても、その高さが足りず、もっと飛べ、と託されていたのか、その辺の真意はよくわかりませんが、このバッタ君とともに、それ以来、どうやったら飛べるのかをより真剣に考えるようになってきました。
こうなると、この絵本の効果は抜群であり、すでにその代金分の素は取れたことになります。
おまけに、今度は、孫が飛ぶかどうか、この問題も加わりましたので、さらに、その効果を出現させることになりました。
なぜなら、飛ぶのは、私だけでなく、孫たちにも、この命題が課せられるようになったからです。
こうなると、それが孫たちのみに留まるものではなく、それは自然に広がっていく可能性があるといえます。
「南にとべないバッタがいれば南に行き、北にとべないバッタがいて暗くなっていたら、北に赴くことができるのです」
そして、心をこめて、こういうのです。
「とぶことを考えてみたらどうでしょうか バッタさん!」
「いっしょに、どんでみませんか バッタ君!」
「あなたも とべるのではないですか バッタ!」
「とべ バッタ!」
ますます、北に南へ、そして西へ東へ、足を運んで、みなさんの「とべない悩み」を尋ねてみたいと思います(つづく)。
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