本日は、先日のゴッホの絵画をまず最初に再掲載します。
もちろん、ゴッホの写真が非常に魅力的で、その思い出がいくつもあるからでもあります。
とくに、この絵画には、その強い思い出があり、感謝の念を忘れたことがありません。
周知のように、これはゴッホが晩年の作であり、彼が愛した南フランスの地方の景色が描かれています。
手前の緑の草原と農村、そして空の雲が鮮やかに描かれています。この白い雲が、やや蒼黒い空の背景から浮き出るように描かれ、その分、雨雲が生き生きと、そして力強く浮きあがるように描かれています。
のどかな農村風景の上に、この雲が乗っかり、見事な対比を示しています。
じつは、1994年のドイツ留学の際に、休日を利用してミュンヘンにある美術館に行ったことがありました。ここに、次に示す有名な「ひまわり」がありました。
これは、とても大きなサイズの絵で、これを見ていると、他の絵を見る必要がなくなったと子供たちが言い始めたのです。
ゴッホは、この32枚のひまわりの絵で有名になりましたが、その実物の迫力が、子供たちに及びそのような効果をもたらしたようでした。
また、このひまわりの絵の隣に、「雨雲のオヴェールの野」の絵が並べられていたのです。
この絵の前で立ち止まり、「すごくきれいな絵だ!」と感動した子供がいました。この美術館でゴッホの解説書を早速購入し、これを家に持ち帰って模写し始めました。
今ここに、その原画がありますが、ここでは、雨雲の空ではなく、晴れた空の雲となり、のどかな夏空の風景として描かれています。
実際のゴッホの絵を見たときも、雨雲としての認識はなく、晴れた風景として、その本人は認識していたようです。
この「晴雲のオヴェールの野」を模写した絵が、すばらしく、これを私の名刺にすることを思いつき、その許しを得て、早速、刷り上げました。
以来、この名刺の刷り上げ枚数は、おそらく2万枚を超えたのではないかと思います。
差し出す方々が、この名刺を受け取るたびに非常に喜ばれますので、そこから話が展開するので、この名刺の効果がすぐに出てくるのです。
おかげで、先方には、きれいな名刺をいただいたという特別の印象を持っていただけるようで、先日も被災地の女性市長に初対面したときも、いきなり、この名刺を気にいったという話になり、すぐに互いの心が開かれることになりました。
こうして、ミュンヘン行き、「雨雲のオヴェールの野」に出会ったこと、それを模写する過程で「雨雲」が「晴雲」になり、そして名刺にしたこと、これらが重なって、人と人のつながりができたこと、こうなると1枚の絵画が持つ意味と力を考えざるをえないことになります。
これからも、この「晴雲のオヴェールの野」の名刺を刷り続け、人々とのつながりを大切にしていきたいと思います(つづく)。
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