先ほどの本殿の大屋根と同じ高さの位置から、さらに上階に上り、今度は、その大屋根を見下ろすところまで案内されました。

まさに、大国主命が住む本殿を眼下に見下ろす位置まで達し、その大屋根の最上部に設置される部材の説明を受けました。

それは、「勝男木」と「千木」と呼ばれるものでした。前者は、檜皮の屋根を留めるため、そして後者は、その勝男木を留めるために利用されたものですが、現在では、その役割が無くなって装飾品としての利用がなされているとのことでした。

すでに、本殿の前部については、それらの取り付けがなされていましたので、残りの工事は、その後部の部分の改修作業でした。

まず、勝男木は、その直径が約1m、長さが数メートル、真ん中の部分が最大で、両方の先単にいくに従って徐々に直径が小さくなります。その形状は、樽を長く伸ばしたようなもので、これを屋根の両側に6本横に設置します。

現在は、この勝男木に銅板をきれいに張っているところでした。非常に錆びにくい純度の高い銅を用い、その継目も非常に丁寧に張り合わされていました。

また、この勝男木は上下左右に曲線をなしていますので、その張り合わせにも技術力が必要とされているようでした。

さらに、千木は、長さ6~7m、長さ80cm、厚さ25cmほどで、これを勝男木を挟んで斜めに立て天高く聳えさせるのです。これにも、古い木の上に銅板を張り合わせ、ピカピカに輝かせるのです。

これらが前後に配置されるとまことに勇壮で、本殿の屋根を鮮やかに輝かせることでしょう。

こうして、出雲大社本殿の屋根の上まで見学することができ、そこから見下ろす光景は素晴らしいものでした。

もともと、ここには、天皇陛下をはじめとする限られた方しか入れないところであり、さらに、60年ぶりの改修がなされ、大国主命などの神様が仮殿に移転していないと入れないところでした。

しかも、その日が休日で改修工事がなされていなかったので、その最上の部分まで登って視察をすることができたのです。

加えて、このような特別参拝ができたのは、地元のOさんが、この大社の重要な関係者であったことから可能になったことであり、これらの確率を総計しますと、それこそ天文学的数字で表わされるほどの幸運が重なった(Oさんいわく)ことになります。

このような国宝を見る機会はめったにありませんので、その天文学的数字の確率で表現される幸運さ、セレンディピーティーに深く感謝させていただきました。

聞くところによれば、大国主命は、天照大神から許しを得て、この出雲の地に国をつくったとのことですが、それがなぜ出雲なのか、そして、この国づくりを通じて強大な権力が築かれた理由、それらが少しづつわかりかけてきたように思いました。

さて、現在に戻れば、新たな国づくりが必要な世相になり始めています。国内外で、未曾有の大災害が起こり、それらに正面から立ち向かう人々とそうでない人々という新たな遊離が生まれ始めています。

前者は、その新たな国づくりを担う人々であり、それらの方々と「因幡の白ウサギ」のような関係もきっと生まれてくることでしょう。

出雲大社本殿の大屋根の上から、前方に聳える千木を眺めながら、これからの「国づくり」について思いを寄せさせていただきました(つづく)。

Usagi