昨日は、朝の講義を終えてから、すぐに自宅に帰り旅支度をしました。荷物を鞄に入れ、必要なものを確認して、ほっと一息ついて時計を眺めると、出発の時刻までに少し時間があったので、束の間のマイクロバブル入浴を済ませました。

わずかな時間でも、旅立ちの前の入浴は、その旅を元気で遂行できるかどうかの重要な因子になります。

旅立ちの前にマイクロバブル、これがいつものパターンです。それから、旅先では、携帯用のマイクロバブルを持参します。

どこの旅においても常に肌身離さず、持ち歩いてマイクロバブルとともに過ごす、これが私のスタイルであり、いつのまにか習慣になってしまいました。

そして新幹線に乗車、今回は広島乗り換えでしたので、広島で駅弁を買うことにしました。

ここでは、かつては「あなご鮨」が定番でした。しかし最近は、もうすこしあっさり系がよくなって、今回は「大関」というむすび弁当にしました。

この「むすび」について、広島は相当な激戦地で、それに勝ち抜いてきたのが、この弁当の味に示されていました。

なにせ、市内の食堂にはいっても、「むすび定食」というメニューがあるくらいで、その味の洗練性において優れているのが、広島の「むすび」なのです。

「広島のむすびは、おいしいのぉ!どうしてじゃろか?」

こう広島のC技術コンサルタントのM君に尋ねたことがありました。広島出身で「広島好き」の彼ですから、喜んで、次のように答えていました。

「そりゃあのぉー、広島のむすびは日本一よ!食べてみりゃーわかるじゃろがぁー」

おかずがよく選別されていて無駄がなく、それぞれの味がしっかりしていて美味しいのです。

それから主役のむすびがコンビニにあるようなむすびとは違って、まことに巧妙に味付けを行っていて食べがいがあります。

「広島のむすびを食べたことがある?」

旅の同伴者に尋ねると、ないというので、その彼の分も買い、二人で食べ始めたところ、その彼が開口一番、「うまい!」と吃驚していました。

これで650円、腹いっぱいになりながら、広島むすび弁当談義に花が咲きました。

それから、例によって、新幹線の中は私の仕事場のようなものですから、メール対応、原稿書きに没頭、時折窓の外を眺めると小雨模様で、宵闇が迫っていました。

列車は東に進んでいますから、それだけ早く夕暮れ時を迎えます。

「五時前なのに、もうこんなに暗いのか!」

そう思いながら、これで6回目となる陸奥での震災復興の旅のことに思いを寄せました。

「この天気だと、明日からの旅は大丈夫だろうか? 海はどうなっているだろうか? 8月3日に104機ものマイクロバブル発生装置を稼働させて、昨日で丁度100日が経過した。

この間、大船渡湾に供給したマイクロバブルの総量は、28800立方メートルに及んだ。とてつのない量である。しばらくぶりの訪問だが、きっとマイクロバブルの効果が出ているであろう!」

こんなことを思い浮かべながら、もうすっかり暗くなった東京品川駅に到着しました。それから、ホテルのロビーで待ち合わせのVB(ベンチャービジネス会社)の社長さんと面会しました。

この方は、もともと医学系の大学で研究されていた方で、その後VBを立ち上げ、世界を股にかけてビジネスをなされているかたでした。

昨今のVB衰退のなかで、しかもモノづくりを中心に活躍されていますので、とても珍しいという印象を覚えました。

礼儀正しく、そして言葉が丁寧、しかも語られる内容は理路整然としていて、非常に説得力のある内容で感心しました。

この社長さんに、「どのような契機でマイクロバブルに関心を持たれたのですか?」と尋ねてみました。

最初のきっかけは、どうやらS社の排水処理の成果だったようで、それ以来、関心を持って調べておられたようでした。

そして、ある会合でN社のT開発部長と会う機会があったそうです。その場で、マイクロバブルのことが話題になり、その社長さんは、思い切って、そのTさんに尋ねたそうです。

「ひよっとして、それは、あの先生(マイクロバブル博士)のことですか? その先生とお知り合いなのですか?」

T氏とは、それこそ長い付き合いですから、彼は、胸をはって私のことは「よく知っていますよ!」と自信を持って返答されたようでした。

そこで、彼は、「ぜひ、私を紹介してください」とT氏に依頼されたようでした。そして、その旨のメイルが数日前に届き、「面会したい」という申し入れが添えられていました。

そこで、11日の夕方には東京にいますので、夕方でしたら空いていて面会可能という返事をしたら、彼も、ぜひ面会したいということになり、トントンと話が進んで行きました。

幸運とは、こんなことをいうのでしょうか、時には、このように話が素早く進むこともあるようですね。

そして2時間半、熱烈談義を交わし、充実した一時を過ごし、さわやかな気分になってホテルに戻りました。

彼は、日本のVBの体現者であり、それを発展させようと格闘してきた実践者でもありました。

これらは、私どもが日々体験している内容と重なる部分がありますので、それだけ、よりふかく、そして、よりおもしろく聞かせていただくことができました。

これからは、このようにしっかりしたVBの主が続々と輩出し、大活躍できるような日本社会を創出していくことが肝要ですね。

また、マイクロバブルの「種(シーズ)巻き」は、そのためにあるのではないかとも思いました。

明日は、早朝から陸奥へ、一関から気仙沼、釜石、大船渡と港町を訪ねる予定です。

「明日は天気になって暖かくなるとよいな!」

思わず、「フレー、フレー」という桑田佳祐さんの「明日へのマーチ」の最後のフレーズが脳裏に湧いてきました(つづく)。


Kumo

大船渡湾の宵待ち雲(YO氏撮影)