無事、講演を済ませ、カレーを食べながらT先生としばし懇談しました。今回の連携に関する意見交換をいろいろと行い、マイクロバブル技術の可能性についても、科学の本質に深く分け入ることや研究者として深く心のひだにまで触れる話をすることができました。
その後、東京駅に向かい、築地の「たまごやき」を買いました。最近、ここが気に入り、ここの鉄火巻きと一緒によく買うことにしています。
駅構内は、年の瀬も近いことからでしょうか、いつもよりも混雑していました。
そういえば、もうすぐ新しい年を迎えることになるのですね。
ホテルに帰ってから、年の瀬の東京の混雑でしょうか、今年を少し振り返ってみようと思うようになりました。
ここは、永田町にあるホテル、イルミネーションで飾られた東京タワーが近くに見えて、かつてよく泊ったことがあるところでした。
この日は、その東京タワーが見える部屋とは反対に面した部屋でした。
「思えば、今年もいろいろなことがあったなぁー」
こう振り返りながら、昨年の年の瀬のこと思い出しました。
約3年余、マイクロバブルの重要な課題の研究に没頭し、その成果を徐々に発表し始めたころでした。
それは、2007年の12月に開催された名古屋大学で第3回マイクロ・ナノバブル技術シンポジウムでの講演以来のことでした。
マイクロバブル技術の進歩の過程においては、どうしても突破しなければならない重要な問題のいくつかがあり、それらに真正面から取り組むことが求められたからでした。
結果的に、この選択には間違いなかったといえますが、当時としては、周囲からは「思いきった決断」をさせていただくことになりました。
これは、当時、さまざまに囁かれていた、次のような疑問や考えを真正面から受けて立つ問題でもありました。
「マイクロバブルも、あと4、5年もすると、なにもかも研究し尽くされてしまい、それで終わってしまう」
「これ以上、マイクロバブル技術は発展しないのではないか」
「大手企業の商品として出されるまでには至っていない」
「実際に役立つ研究成果が少ない。ほとんどない」
これらは、一面的な見解ではあっても、見過ごすことができない重要な問題だと思いました。
一方で、マイクロバブルの科学と技術において、本質的な問題が十分に究明されいないことの反映でもありましたので、それに真正面から取り組むことにしたのでした。
これらの成果については、今後も、その都度、ささやかではあっても、しっかりと明らかにしていきますが、マイクロバブルの本質、また、その技術の裾野は広く、その根も深いといえますので、上記のような心配はありません。
この思いは、私のマイクロバブル研究の今後にも重要な影響を与えることになりました(つづく)
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