本日は小雨模様の寒い一日のようです。珍しく、新幹線で南に下り、大分に向かうことになりました。途中、小倉で乗り換え、特急に乗って大分まで九州の東側を南下あうるのもほんとうに久しぶりです。

小倉といえば、東築軒の「かしわめし弁当」、湖月堂の「栗まんじゅう」が販売されている駅です。いずれも昔から、よく味わった名物です。

小倉からは、行橋、中津、そして宇佐へと下ります。この辺は、魚と鰻が美味しいところです。そして国東半島の付け根の部分を横切りますと、杵築、日出、そして温泉町別府、終着は大分です。

もう相当前のことでしょうか、大分に電車で行った記憶がありますが、それがいつだったのか、よく覚えていません。

おそらく、相当前のことだったのだと思います。

さて、今回の大分訪問の主目的は、大分にある高専の学生のみなさんの前で講義をすることです。その依頼に応えて、次のような題目にさせていただきました。

「科学(マイクロバブル)の力で取り組んだ東日本大震災の復興支援」

昨年の4月以来、岩手県大船渡湾で取り組んできた東日本大震災支援プログラムの実装結果について講義をする予定です。

若い学生のみなさんが、東日本大震災の復興支援野問題をどのように受け留め、理解するのか、その反応がとても楽しみです。

個の高専といえば、最近では、なんといっても「三浦望」さんが卒業されたところです。彼女は、2年前に、土木学会土木教育賞を受賞されました。この時の受賞講演を聞かせていただいて、とても感動したことを覚えています。

その受賞の理由は、タイにミシンを送る活動をなさったこと、シンガポールの学生たちと交流したことにありました。

その活動内容はとても素晴らしかったのですが、何よりも私が印象深かったのは、彼女が、それこそ威風堂々とみなさんの前で講演をなされたことでした。

若干20歳の女子学生が、なぜ、かくも堂々と人前で話をすることができるのか、わが目を、わが耳を疑うほど、堂々と講演をされていた姿に心を動かされました。

おそらく、この堂々とした姿は、一朝一夕に身につけられるものではなく、彼女の実践そのものを通じて自然に身につけられていったものではないかと思いました。

現代にふさわしい「実践的技術者」とは、このように堂々とした姿を体現できることをいうのではないか、ここに、この教育問題に関する重要な解明の糸口があるように思いました。

高専は、今年で50周年を迎えますが、このような学生の出現こそ、その半世紀の成果の証の一つではないかと思います。

類稀で、すぐれた要素や成果がない限り、いかなる組織も50年を持続させることができない、この意味を深く掘り下げ、徹底して究明する、ここに、この50年問題の本質があるように思われます。

そんな思いを込めながら、日報線を下っています。車窓は暗く、遠くの灯しか見えません。まもなく「柳が浦」という駅です。たしか野球の強い高校があり、私の故郷に近いところです(つづく)。

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