講演の冒頭に、卒業生の三浦望さんを登場させることで、ぐっと身近な存在にすることにして目の色を変えることができましたので、次は、講演で明らかにするメインテーマを考えていただくことにしました。

それは、私たちがどのような時代に生きているのかという「時代認識」に関することでした。

最近の講演では、この認識に関して、次の3つを示すことにしています。

これらの「ことば」に示されるように、世界中には困難が山積し、それらを克服することでしか生きていけない時代がやってきていることをよく知る必要があります。

これに加えて、最近は、深刻な経済危機が世界中を支配し始め、そのことも覚悟して生きていかねばならないのです。

多くの困難と経済危機の中で生きていくための実践力、人間力を養成することが非常に重要な時代がやってきているのです。

これらを背景にして、諸困難にどう立ち向かうか、私の場合はマイクロバブル技術を用いて解決に導くか、そのことが問われてきました。

今回の東日本大震災支援プログラム大船渡プロジェクトも、その一つです。

周知のように、20世紀、21世紀における困難の解決の鍵を握るのは科学技術です。これをどう活用し、富と平和をどのように創生させるかが決め手になるのです。

この視点から、マイクロバブル技術の成果を具体的に示していきます。その際、マイクロバブル「吃驚」現象を明らかすることによって説得力を増すことに心がけます。

「まず、『吃驚』という漢字を示し、何と読みますか?」と尋ねます。

ほとんどの講演において、この字を読める人はわずかであり、みなさん、すぐに下を向いてしまいます。

そこで、前の席に歩み寄り、そっと尋ねます。

今回は、女子学生3人が座っていました。最初は、わかりません、読めませんといっていたのですが、そのうちの一人に再度尋ねると、「びっくり」と小声で回答がありました。

「その通り、『びっくり』と読みます。正しく読めましたので、私の『マイクロバブルのすべて』を差し上げます」

といいながら、拙著を手渡すと、会場からは、「おぉー」という歓声が上がりました。

こうして、会場をさらに和らげ、マイクロバブルの吃驚現象を説明していきました。

こうなると、その吃驚現象は何か、と期待感が生まれますので、彼らの関心はますます高まってきたようでした。

古今東西、みなさん、吃驚して腰を抜かすほどの経験をしたい、その感激を味わいたい、このように思い続けているはずです。

とくに、若者や芸術家、小説家には、このような願望を持っている方が少なくありません。

ですから、まずは、吃驚する現象を見せて、「はっ」とさせることが、さらに彼らを引き込むコツなのです。

「びっくりせよ、びっくりに感激せよ!」

(つづく)

Piotrfurman2