さて、その吃驚(びっくり)現象とは何か、それは、どのようにして起こるのか、さらに、それらが何をもたらすのか、それらをじっくり、そして、しっかりと考える必要があります。

まず、その吃驚マイクロバブル現象のいくつかの説明から始めます。

その第1は、いわむらもみじ屋の「もみじ饅頭」にしました。事前に、もみじ屋から100個送付してもらいました。この饅頭は家族に非常に評判がよく、その半分は家で食べることにし、この分はすぐになくなりました。

おそらく、50個で足りるであろうと思っていましたが、これが甘く、参加者は80人を超えていていましたので、4年生の学生のみなさんに限らせて配ることになりました。

実際に、もみじ屋のマイクロバブルもみじ饅頭を試食していただき、その饅頭の吃驚現象を説明するのですから、これほど効果的なことはありません。

もちろん、当の学生のみなさんも大喜びで、饅頭付きの講演などなかなか経験できていないことだと思います。

ここで、なぜ、この饅頭が美味しいのか、どうやって、その美味しさを出したのか、さらに、そのマイクロバブル効果の特徴はどこにあるのかなどを説明し、その理解が徐々に進み始めたようでした。

同時に、売り上げについても、吃驚現象が起きていることにも付け加えました。この饅頭は、日曜祭日になると1日約1万個が売れるそうです。1個の売値は75円ですから、じつに75万円の売り上げになります。

これは、相当なもので、かなりのお客さんが、ここで饅頭を買っていることにもなります。そういえば、私が訪問した時も、ウイークデイにも関わらず、常にお客さんが並んで饅頭を買っていました。

たしかに、この饅頭には、ほかにない美味しさがあり、わざわざ注文して取り寄せてみようと思わせるほどの力を有しています。

一度食べたら、もう一度食べたい、注文しようという思いが湧いてくるほどに優れた饅頭といえます。

ですから、このようなマイクロバブル饅頭とその売り上げ実績に、みな吃驚(びっくり)するのです。

吃驚現象の第2は、村重酒造の大吟醸酒「錦」の快挙についてです。これについても、実物を持参しました。

きれいな箱に入れられた青いとっくり型の酒びんを持ちだして、最前列の学生に瓶をもっていただき、みなさんに披露しました。

「これが、ベルギー国主催の世界一の食品コンテストであるモンドセレクションにおいて、最高金賞を3回連続受賞したお酒です。来年4連覇すると、日本初の快挙になります」

こういいながら、最高金賞のメダルと3連覇のトロフィーも紹介しました。

ここで、この酒も差し上げたいところですが、聞き手の多くは学生のみなさんでしたので、「これは、先生方のために持ってきたものですから、後で先生に差し上げます」といって、了解していただきました。

「ところで、この錦は、どのようにして、モンドセレクション最高金賞を3連覇することができたのでしょうか。もちろん、マイクロバブル技術がないと、このような快挙を実現することはできません」

こういうと、みなさんは、その理由を考え始めます。

「マイクロバブルで、どうして、そんなすごいことができるのか?」

このような思いに駆られるはずです。

この難しい問題をやさしく考えることができるようにするには、どうすればよいか、ここで私の方も知恵を絞ることになります(つづく)。

Piotrfurman4