昨日は、真に不思議な事が起こりました。世の中には、このようなことが起こることがあるのですね。

じつは、私の講演会と家内が参加するコンサートが、同じ山口県宇部市で、約2時間の時間差で開催されたからでした。

そのいきさつは、後者の方が先に決まり、私の講演会の方が後から確定したようでした。

「5日は、宇部でコンサートがありますが、その日はどうしますか?」

こう聞かれ、「久しぶりに聴きにいきます」と返事をしていたのですが、そのうち、「そうか、同じ日の少し前に、講演会があり、そこで講演することになっていた」ことを思い出して、「こんな偶然があるのだ」と自分で不思議がっていました。

この日の講演会の主催は、地元宇部市岐波地区を中心に自然環境の保全をなされている方々と地元の歴史を研究されている方々のようでした。

日曜日の朝10時からの講演会でしたので、参加者は予定通り集まるのかなと思っていましたが、その心配は無用で、予定の100名近くが続々と集まって来られました。

さて、この日の講演の柱は、次のようなものでした。

参加者のほとんどが、ご高齢の方々でしたので、高齢者が健康になり、自ら環境保全活動に取り組むことについて、私の事例(マイクロバブルの吃驚(びっくり)現象)を踏まえて、やさしく話をし、時々笑いも誘いました。

講演時間は90分いただいていましたので、ゆっくり丁寧に話を進めました。そのせいか、やや時間を超過してしまいましたが、みなさん、熱心で一人も居眠りをする方がいませんでした。

そのことは、講演後の質疑応答でも明らかになり、次々に質問があり、司会者が困るほどでした。

この様子を見て、主催者の代表の方が、とても喜ばれていました。

このように、地域には、環境保全活動をなされている方、歴史を研究されている方々がおられ、非常に熱心に勉強されている姿に接して、このような方々が地域を支えているのだと思いました。

ここには、高齢者のみなさんが、「余生」ではなく、「誉生」を実践されている姿があり、それを実現することがとても大切な時代になっていることを改めて知ることができました。

このように、高齢者のみなさんが活躍している姿は、この宇部市岐波地区だけでなく、山口県においてもいくつも見られることだと思われます。

さらに全国的にはもっと多数存在するはずですから、これらのみなさんが、より元気になり、豊かになってゆかいに誉生を全うされることが重要であると思いました。

これから、高齢者のみなさんに向かって、どのように対応し、話をして行くべきか、とても大切な課題をいただいた講演会となりました。

マイクロバブルでもっと吃驚し、もっと笑い、もっと身近に感じて、自然に実践していただけるようになることが大切ですね。

講演後は、近くの食堂で定食(500円)をごちそうになり、魚の煮付けをおいしくいただきました。

それで丁度よい時間となり、同じ市内の文化会館へ向かいました。あいにくの雨模様でしたが、娘二人と孫の「しらたまちゃん」はすでに到着していました。

家内は、冒頭のソロと後半の合唱の2つに出演し、娘の一人の「しらたま母」はピアノの楽譜めくりで出演していました。

冒頭のソロの曲名は、韓国の故郷ソング、「カゴパー」であり、それをハングルで歌っていました。

この日のコンサートは、宇部市の炭鉱で戦時中に起きた事故で死んだ188名(そのうち韓国人が135名)を追悼する70周年に相当し、韓国の親族の方々を含めて大勢の方々が集まっておられました。

この長生炭鉱の事故の鎮魂歌を作ろうと家内らが中心になって音楽活動がなされ、作詞芝憲子、作曲池辺晋一郎さんによって、『海の墓標』という素晴らしい曲ができました。

池辺さんは、この曲を戦禍のサラエボにおいて作曲されたと聞いています。この池辺さんとは不思議な縁があり、一時期、顔がよく似ているといわれ、実際に神戸市において間違えられたこともありました。

久しぶりに、この曲を聞き、感動が蘇ってきました。この「海の墓標」は、東京から来られた合唱団と周南市合唱団の合同で歌われました。

アリラン、アリラン、これは朝鮮半島に伝わる名曲ですが、このフレーズが随所に出てくるすばらしい曲で、この芸術で心が洗われました。

こうして、以前に歌われていた曲が、混声合唱曲(オリジナルは女声合唱曲)として生まれ変わりました。やはり芸術には、このように歌い継がれる普遍性があり、それがみなさんの心を打つのですね。

因みに、この「海の墓標」は、韓国でも演奏され、日本人が「日本の歌」として正式に許可を韓国大統領から受けた最初の事例となりました。これには、韓国のNHKに相当するKBSの方々のご努力がありました。

コンサートの最後は、壇上の韓国のみなさんと一緒に参加者全員がアリランを合唱しました。

アリラン、アリラン・・・・・

そばのしらたまちゃんも小さい手で拍手をしていました。


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