杜の都仙台には昼過ぎに到着しました。少し、時間的な余裕があったので、駅前のメトロポリタンホテルのロビーで休憩をとることにしました。

そういえば3日前にも、ここで寛いでいると、隣の席にK高専のH夫妻がやってきて、真に吃驚しました。

こんな奇遇もあるのですね。

お茶は、前回と同じく、紅茶の上に抹茶を載せた飲み物で、これが新しい味として心に残っていましたので迷わず注文しました。

抹茶のせいでしょうか、これを飲むと幾分心が落ち着いてきて、前向き気分になり始めていました。

今日の会場は東北大学100年記念会館萩ホールというところであり、昨年夏に講演発表を行った国際会館の隣にありました。

会場に入ると主催者側の挨拶が始まっていました。

その後、講演が5つあり、東日本大震災後の環境再生問題が議論されました。

このなかで、第1に注目したのは、原発の除染において、空間染量が問題になることでした。この場合、空間染量とは、家屋だけでなく周囲の農地やいや山林も含めて、そのトータルの放射線量が問題になり、その除去を行わなければならないことでした。

また農地の場合は、土の表面から5cmほどを除去すると、農地としてはほとんど通用しないことも明らかにされました。

第2は、津波の堆積物材料を用いて、人工地盤を造成を行う技術でした。これには、古紙を混ぜることで人工土壌の結晶構造が変化し、結果的に強固な地盤が形成されることが注目されていました。

震災時には、コンクリート車も来れない状況でしたらから、この工法が非常に威力を発揮したという事例が紹介されました。

そして、最後に、私の「マイクロバブルによる大船渡湾の水環境蘇生と水産養殖の復興」と題する講演を行いました。

この実験が国内外において初の大規模なものになったこと、無放卵カキ「バージンオイスター」が誕生したこと、マイクロバブルで水環境の改善がなされたことなどを発表しました。

貴重な成果といくつかの重要な課題が明らかにされた課題となったシンポジウムとなりました。

末筆ですが、今回の企画・運営をなされた東北大学の中野先生をはじめ、日本混相流学会のみなさまに深く感謝申し上げます。

「まだまだ復興は緒に就いたばかり、これから長く続く取り組みとなるであろう!」

帰りの新幹線のなかで、このように振り返りました。

つづく

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瓦礫の向こうに松の木の幹だけが見える(陸前高田市、筆者撮影、2012年2月10日)