「山海の特産品と観光・交流施設を有するまち」が、現行の第4の目標です。たしかに、この国東市には、優れた山海の特産品がいくつもあります。

地元自治体の振興計画において指摘されている特産品を、以下に示します。

「ミカン、しいたけ、かぼす、バラ、ねぎ、車エビ、たちうお、たこ、岩ガキ、七島藺」

これらは、それぞれすばらしいものですが、これがなかなか知られていない、あるいは、最近になって獲れなくなった、そして、なんとかもっと売り出したい、このような事情や要望が寄せられている特産品です。

また、これらが観光の目玉の一つになり、全国のみなさまの交流拠点として販売され、評判を呼ぶことが期待されていますが、それが十分に達成するまでには至っていない側面もあります。

そのことを踏まえ、次のように、その目標を考え直しました。

「世界一、日本一の山海の特産品を生み出すまち」

これは、上述の現行の目標において、「世界一」、「日本一」という用語の有無において重要な違いがあります。

また、これには、「日本一に近い」特産品であっても、それが「日本一」として認知されているかという問題と、日本一、世界一を、どうめざしていくかという課題の2つがあります。

前者においては、すでに、日本一、世界一の実績を有し、認定を受けた経験から学ぶことが重要です。

私の関係では、山口県岩国市の村重酒造の大吟醸酒『錦』があります。

社運をかけて導入したマイクロバブル技術によって、それまで獲得することができなかった全国種類コンクールで第1位となって日本一を実現し、同じくモンドセレクション最高金賞受賞で世界一を達成しました。

このダブル受賞が2009年のことであり、快進撃の始まりでした。

ここには、2位から1位へ、金賞から最高金賞へ至る壁を乗り越える問題があり、この突破(ブレイクスルー)の原因がマイクロバブル技術の適用だったのです。

この適用の背後には、マイクロバブルの科学があり、偶然の結果として世界一、日本一の酒造りがなされたわけではありませんでした。

それが証拠に、2010年、2011年と最高金賞受賞の三連覇が実現され、国内においても歴代1位という受賞を得るまでの至ったのです。

ここで重要なことは、日本一、世界一になるにはそれなりの科学的および技術的根拠が必ず存在することであり、それなしには実現できないことなのです。

この教訓を大切にすれば、その優れた科学性、技術性を酒造りのみならず、他の食物や特産物にも適用できる可能性があるということなのです。

ここに、科学や技術の普遍性があり、それを抽出し、創造的に他の商品づくりに適用することこそ重要なことなのです。

酒は、「タコやシイタケ」と同じ要素を有している可能性があるのです。

そこで、問題は、その可能性をどう引き出すか、に絞られてきます。

つづく
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