講演会場のホテルに着くと、まもなく漁業協同組合長のKさんが御挨拶に来られました。その折、マイクロバブルに非常に興味を持たれていたようで、すぐにちょっとしたマイクロバブル談義がなされ、ここで講演の前の予行演習をすることができました。

会場には、予定の40名弱の参加者の方々が集まっていました。ここでまず驚いたのは、20歳代を中心にした若い方々がかなりの数参加されていたことでした。

これが車中で話題に上っていた「Iターン」の方々か、この島には、全国各地から若者がかなり集まって来ているらしい。

これはとても珍しい現象であり、その訳を聞いてみると、Y町長を中心にして町をあげて、積極的な若者移住を呼びかけたことが功を奏したようで、町としては若者定着の要である住宅建設が、間に合わないほどの応募者があるということのようでした。

海士町の自然と農漁業を中心にした産業に興味を抱き、この地に移り住むというのですから、ここには若者が求めるすばらしいものがあるにちがいないと思いました。

この新たな出会いとチャンスを生かして、この島の発展論を考える、まず、その視点が重要ではないかと思い、そのことを講演の冒頭に述べることにしました。

そこで、海士町の第4次総合振興計画書を読み返し、この島の現状、特徴、そして将来がどのように検討されているかを調べてみました。

まず、この振興計画を眺めて、「おやっ」と思うことがありました。それは、この計画に「島の幸福論」というサブタイトルが付けられていたことでした。

このようにソフトなサブタイトルに出会うの初めてのことだ、こう思いながら、この計画の作成過程を探っていくと、島の住民のみなさんの意見を踏まえて、この計画が立案されたことを知りました。

そうか、島民が考えた「島の幸福論」。これはとてもユニークで面白いと興味が湧いてきました。以下、その幸福論に基づく4つの理念を示します。

 

また、この「島の幸福論」を再考して、私が示した新4つの理念を、その下に示しました。これらを再考して新提案をさせていただいたことが、会場のみなさんに小さくない驚きを与えたようで、そのことが、講演後の懇談のなかでよく理解することができました。

そのことも含めて、この考察結果を具体的に示すことにしましょう。

つづく

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